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余った土地の有効活用方法を解説。都市と田舎で変わる土地活用ニーズとは

相続などにより、持て余している土地や空き家を所有しているケースは少なくありません。

今回は、余っている土地の活用方法にはどのようなものがあるのかについて紹介します。都市と田舎の土地では、活用ニーズにどのような違いがあるのかについても見ていきましょう。

 

土地活用の都市と田舎の違い

余った土地の有効活用方法

都市に土地を持っているか、田舎に土地を持っているかで土地活用の方法は変わります。
まずは、それぞれ土地活用の違いについて解説します。

都市の土地活用、特徴

都市部は商業や流通などが発達したエリアで、オフィス街、繁華街や住宅街など、多くの需要があります。そのため、利便性の高い市街地にはアクセスの良さを活かした賃貸マンション、店舗併用賃貸マンション、オフィス・事業拠点などオールマイティーに展開できます。

また、都市の土地活用は整地やインフラ(上下水道・都市ガス)が整備され、建ぺい・容積率の緩和など、収益の最大化を図れることが特徴です。

しかし、エリアによっては都市ならではの諸経費が必要になって、下記のような工事経費が重い負担になる場合があります。

  • 近隣対策費
  • 工事車両の駐車場費
  • 夜間搬入費
  • 交通整理費
  • 特殊養生費

田舎(郊外)の土地活用、特徴

田舎(郊外)は都市部から距離があるため、交通が不便で人口が少ないです。また、整地が進んでおらず、地形が悪かったり、立地環境が悪かったりすると土地活用の方法が限られます。地域に規制が定められており、土地活用が難しい場合もあります。

とはいえ、田舎(郊外)の余った土地であっても、立地の特性にあった方法で工夫することで土地活用を成功させることは可能です。場合によっては、立ち木を伐採・伐根、地盤改良をして建築物を建てられるように土地全体を整備する必要があります。その際、一次造成の費用が先行してかかります。

田舎の土地活用に知っておくべき2つの規制

田舎では、農地保全や自然保護の観点から、さまざまな規制が定められていることが多いです。そのため、そもそも土地活用が難しい場合もあります。

特に土地活用が難しくなる規制は、都市計画法で定められている「市街化調整区域」と「農地法」の2つです。

市街化調整区域には、原則建物を建てることがでません。そのため、土地の活用方法が駐車場などに限られます。また、農地法で定められた農業振興地域に指定されている農地の場合は地目変更ができません。そのため、農地以外の転用ができません。

余った土地の活用をおすすめする理由

土地活用のメリットは、「使わない・余った」土地から収益を得られることです。経営が軌道に乗れば、不労所得として長期に渡って安定した収入を確保できます。アパート・マンションによる活用なら、高い節税効果(相続・所得・固定資産・健康保険税など)があります。

コロナ禍を機に「自助努力」が強く求められ、老後の預金2,000万円問題など、老後の備えとして土地活用が再考されています。特に、田舎(郊外)の余った土地は春には固定資産税が、夏には草刈りなどの維持管理費が発生します。ランニングコストを節約するためにも、収益を得られるように活用することが大切です。

公的な補助金を利用できる4つの土地活用

敷地造成や建築物をともなう土地活用は、初期費用がどうしても高額になりがちです。
しかし土地の活用方法によっては、自治体や国から補助金を受けられるものもあるので確認しておきましょう。

 

 助成事業  補助金額  条件等
サービス付き高齢者向け住宅 工事費の1/10以内(上限:135万円/戸)など

・各自治体で「サービス付き高齢者向け住宅」として10年以上登録など一定の条件がある
・居室面積により補助金額は変わる

認定保育園の運営 整備費用の75% ・国50%、自治体25%の負担割合
・都道府県知事の許可を得た認可保育園
・地域は限定される
太陽光発電の設置 1kwあたり2~3万円、上限15~20万円など ・国からの補助や支援は2020年(令和2年)ですべて終了
・自治体で補助を行っている場合があり、左記は一例
空き家の解体費用 除却費用の2分の1(上限50万円)など(東京都内) ・自治体によっては老朽建築物の除却に助成がある
・土地活用にあたり敷地に建っている古家や構築物を解体する必要がある場合に利用できる

 

都市の土地活用ニーズ

都市は「狭小地」「旗竿地」「三角地」など、土地の種類や形、坪数にこだわらず土地活用ニーズがあることも強みです。
ここでは、都市の土地活用方法をいくつか紹介します。

マンション・アパート

土地活用の代表とされるのがマンション・アパートを建築しての賃貸経営です。狭小地から広い土地まで敷地に合わせて計画できます。土地を所有しているので資金計画(融資)も比較的容易です。また、相続税対策など損益通算が可能なために高い節税効果があります。

この活用法は競合が激しく、サブリース問題など何かと良くないうわさを耳にすることもあります。そのため、賃貸のニーズをしっかり見極めて計画しましょう。

店舗開発

流入人口が多い立地であれば、店舗開発がおすすめです。
店舗開発とは、コンビニエンスストアやスーパーなど大手物販店舗を建築して、経営する土地活用法です。

店舗開発の土地活用には以下の2つのケースがあります。

  • 自身で店舗を建築してオーナーとして経営する
  • 土地を貸し出して賃料収入を得る

経営が軌道に乗れば甚大な収益が見込めます。その反面、設備投資や必要機材導入(冷凍・冷蔵、業務用調理器具など)の初期費用が居住用物件より高額になるリスクがあります。

賃貸併用住宅

賃貸併用住宅とは、自宅と賃貸部分を併設させた一つの建物です。賃貸部分から得られる家賃収入を住宅ローンの返済に充当する土地活用法で、賃貸ニーズが多く家賃相場が高い都市ならではです。

手軽にマイホームを持つことができ、築年数が古い自宅の建て替えもできることから注目を集めています。

各種駐車場・駐輪場

駐車場経営は、コインパーキングと月極駐車場に分けられます。立地によっては併用しての経営も可能です。また、初期投資は舗装費用だけという手軽なケースが多いです。

車の転回スペースも必要なので、全体の敷地面積を7坪で割ると駐車できる大まかな台数が分かります。コインパーキングの場合は、一般的に毎月一定額で業者に土地を貸し出します。

「狭小地・変形地」で駐車場として活用できない土地でも、駅近なら駐輪場として有効活用ができる可能性があります。初期投資も少なく、運営のすべてを一括して任せられる専門業者もあります。

屋外型のレンタルボックス

屋外型レンタルボックス

在宅やテレワークなどが求められている昨今においては、住まいにある不要なものを保管しておくレンタルボックス(屋外型のトランクルーム)への需要が高まっています。住まいの広さに限りのある都市部では、特に顕著になっています。

屋外型のレンタルボックスは、コンテナを設置するだけで開始することができるため、狭小地などでも活用が可能であり、他の活用法と比べて初期投資が低いことも魅力的です。

 

田舎(郊外)の土地活用ニーズ

土地活用には集客が必要になるため、田舎の土地では不利なことが多いといわれます。しかし、コロナによるニューノーマル(新生活様式)誕生により変化が起きています。そのため、ほんの少し視野を広げるだけでさまざまな可能性が生まれます。競合が少ない分高い収益を得られることもあるでしょう。

庭付きの広い家で子育てをする、ピアノが思いっきり弾ける、趣味を満喫するスペースが持てる、作業場にするなど、土地や地域の特性を活かした田舎ならでの活用法があります。

では、どのような土地活用方法があるのでしょうか。

太陽光発電

太陽光発電

日当たりがよく200平米以上の広さがあれば、太陽光発電という活用法も選択肢のひとつです。集客が必要ないため田舎の土地活用例の代表とも呼ばれます。

設置費用も低下傾向にあり、変換効率も20%代のものが表れています。自治体による補助金制度を利用できればコスパの良い土地活用です。ただし、台風や洪水の可能性が高い地域は、天災で設備が破壊されるおそれもあるため、慎重に検討しましょう。

 戸建賃貸経営

戸建住宅(庭付き)を建築し賃貸住宅として貸し出す土地活用です。賃貸経営のメリットは収益の安定性です。

戸建住宅(庭付き)はファミリー層が入居者になりやすく、入居期間が長くなる可能性が高いです。そのため、長期的な収益性に優れています。

2~3LDKの居住面積を提供でき、テレワークにも子育てにも適切な環境です。加えて入居者の属性が均一化するため、近隣トラブルを防げるのもメリットです。

サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)

民間事業者が運営するバリアフリーに対応した高齢者専用の賃貸住宅で「サ高住」「サ付き」とも呼ばれます。介護認定が自立あるいは要支援・要介護の高齢者を受け入れます。

昼間は生活相談員が常駐し、入居者の安否確認やさまざまな生活支援サービスを受けることができるのが特色です。加速する核家族化や人生100年時代に入り、田舎(郊外)ではホームヘルパーなど訪問介護の必要性が高まっています。今後も高齢者施設の需要は拡大するでしょう。

郊外型のサテライトオフィス

サテライトオフィスとは、郊外に建築する小規模オフィスや遠隔勤務用の施設を指します。いわゆる支店とも違う形態で、総務省が推進するなど注目を集めています。

郊外の余った土地を、借地として提供したり、建て貸ししたりします。話題のワ―ケーションと併用させれば観光地やレジャー施設の周辺なども対象です。働き方改革関連法案の施行とコロナによる「ニューノーマルの誕生」で、この事業は柔軟な働き方への解決策として期待がよせられ、需要が高まっています。

不動産業界のDXスタートアップ企業からは、サテライトオフィスへ特化したサービスも登場しています。今後、田舎(郊外)での土地活用の選択肢として期待が持てるでしょう。

 

余っている土地の活用は、加瀬倉庫にご相談ください

相続したが活用していない土地や元々は店舗跡地だったが今は何も行っていない土地など、「余っている土地」と呼ばれるものの事情は非常に様々です。

今回紹介した土地の活用方法も、全ての土地に当てはまるわけではなく、周囲の環境や立地条件などを細かく分析しなければ適している方法は分かりません。

余っている土地の活用を検討されているのであれば、一度加瀬倉庫にご相談することをおすすめします。

 

関連記事:土地活用の完全ガイド!おすすめの活用方法から失敗への対処法まですべて解説

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加瀬グループ編集部
加瀬グループ編集部
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