• 駐車場

  • 公開日:  更新日:

駐車場経営の初期費用はいくら?費用を抑えるコツはある?

駐車場経営は、アパート経営などのように建物を建てる必要がないため、比較的手軽に始められる土地活用です。

当然ながら、駐車場経営を始めるためには、アスファルト舗装や料金計算機を設置するための費用がかかります。

具体的に、駐車場経営の初期費用の相場はいくらぐらいなのかを種類別に解説します。また、資金から考える事業計画の立て方や初期費用を抑えるコツも確認しましょう。

 

駐車場経営の初期費用

駐車場経営の初期費用は、駐車場の規模により費用は上下します。ここでは駐車場経営を行う土地の面積を100坪(約330㎡)と仮定して話を進めていきます。

また、駐車場の種類は主に次の3種類があります。()内は設定した駐車台数です。

  •  コインパーキング(10)
  •  月極駐車場(10)
  •  立体駐車場(16)

コインパーキングの場合

コインパーキングの初期費用

コインパーキング(時間貸し駐車場)は不特定多数のカーユーザーが使うため、使い勝手のよいアスファルト舗装が望ましいでしょう。しかし、初期費用を抑える目的で未舗装での開業も可能です。

コインパーキングの設備としては料金計算機やロック板が必要で、初期費用を概略計算すると次のようになります。

■コインパーキング(アスファルト舗装)の初期費用

項目 金額の目安(円)
アスファルト路盤工事 200万
区画線   10万
料金計算機  50万
ロック板  100万
合計 360万

 一方、未舗装にした場合の初期費用は以下のとおりです。

■コインパーキング(未舗装)の初期費用

項目 金額の目安(円)
砕石路盤工事 100万
料金計算機  50万
ロック板 100万
合計 250万

なお、夜間照明などや防犯カメラなど、必要に応じて別途費用がかかる可能性があります。

月極駐車場の場合

月極駐車場の初期費用

月極駐車場は料金計算の必要がないため、初期費用を抑えられます。

アスファルト舗装の場合は、下記の金額が目安です。

■月極駐車場(アスファルト舗装)の初期費用

項目 金額の目安(円)
アスファルト路盤工事 200万
区画線 10万
合計 210万

路盤を砕石にした場合は、さらに費用を抑えられます。

■月極駐車場(未舗装)の初期費用

項目 金額の目安(円)
砕石路盤工事 100万
合計 100万

立体駐車場の場合

立体駐車場の初期費用

立体駐車場の場合は階数を多くすると駐車台数が増えて収入が増加しますが、その分初期費用も高くなります。

ここでは2階建ての自走式立体駐車場を想定し、初期費用の目安を計算してみましょう。駐車台数は立体駐車部分で12台、屋外駐車分として4台を設定しています。

コインパーキングとした場合の初期費用が次のとおりです。

■立体駐車場(コインパーキング)の初期費用

項目 金額の目安(円)
建築工事 2,100万
アスファルト路盤工事 60万
区画線 16万
料金計算機  50万
ロック板  160万
合計 2,386万

一方、月極駐車場とした場合の初期費用は次のようになります。

■立体駐車場(月極)の初期費用

項目 金額の目安(円)
建築工事 2,100万
アスファルト路盤工事 60万
区画線 16万
合計 2,176万

なお、建築工事は床面積60坪、1階部分のコンクリート床以外はアスファルト舗装と仮定しています。

初期費用まとめ

初期費用を6つのパターンで紹介しましたが、これらは土地をすでに所有している場合を想定しており、土地の取得費が含まれていません。

取得する土地の面積を100坪、坪単価を30万円と仮定し、土地有・土地無に区分しまとめた結果が次の表になります。

■タイプ別駐車場初期費用の目安(単位:円)

タイプ 土地有 土地無
コインパーキング アスファルト 360万 3,360万
砕石 250万 3,250万
月極駐車場 アスファルト 210万 3,210万
砕石 100万 3,100万
立体駐車場 コインパーキング 2,386万 5,386万
月極 2,176万 5,176万

 

駐車場経営の維持費用や収益性は?

駐車場経営の維持費用や収益性

駐車場経営では、初期費用だけでなく、経営を始めたあとの維持費用や管理費用を考慮する必要があります。また、収益性も検討し、安定した経営を目指すべきでしょう。

資金面で注意したいポイントについて解説します。

駐車場経営の事業計画

前述したとおり、駐車場経営は開業後の維持費用や管理費用も考慮する必要があります。

特にコインパーキングや立体駐車場の設備、維持管理が重要です。維持管理がおろそかになると耐久性が低下し、稼働年数が短縮されるおそれがあります。多額の初期費用を投じた場合は、長く使えることが求められるでしょう。

そのため、計画段階で初期費用だけでなく長期にわたる維持管理費用を想定し、事業計画を策定することが大切です。

事業計画は、収入予想と初期費用や維持管理費用などの支出計画に基づいた「収支計画」と、自己資金や借入金を計上した「資金計画」をセットにして策定しましょう。資金的な裏付けのない計画は意味のないものになってしまいます。

収益性を考える

駐車場には時間貸しと月極の2つのタイプがあり、料金体系が異なります。立地条件によって、どちらのタイプが需要を見込めるかの判断が重要です。

時間貸しは稼働率と回転率により収入が上下しますが、月極はほぼ一定の収入となり満車になるとそれ以上の収入増は見込めません。

時間貸しの稼働率と回転率は時間帯や曜日によっても変化し、高い収益性を期待できる場合もあれば収益性が落ちるケースも考えられます。事業計画策定時には入念なマーケットリサーチが必要となるでしょう。

管理方式を考える

駐車場はほとんどの場合、無人で運営を行います。しかし管理業務は必要であり、以下の3つの方式があります。

  1.  自主管理
  2.  委託管理
  3.  一括借上げ

自主管理はオーナーがすべての管理業務を行う方式です。外部への支払いがなく、収入はすべてオーナーに入ります。そこから固定資産税や電気代などの経費を支払い、利益が手元に残ります。

月極駐車場の場合は賃貸借契約を締結するため、利用者募集から契約事務までオーナーの負担が多少あります。また、コインパーキングの場合は売上金の回収が負担となることもあり、オーナーが対応できるかどうかがポイントです。

委託管理は、上記のような負担となる業務はすべて管理業者に委託する方式です。オーナーの時間的な負担はほとんどありません。その代わりに委託管理料が毎月発生するため、収入が低下すると赤字経営になる場合もあります。

一方、一括借り上げは、後ほど詳しく解説しますが、業者に管理をすべて任せられるうえ、一定の収入を得られる方式です。

関連記事:土地活用で最も無難な選択は駐車場経営?駐車場の利益を最大にする活用法を解説

 

駐車場経営の初期費用を抑えるコツ

駐車場経営の初期費用を抑えるコツ

駐車場経営の初期費用は100万円前後から最大で数千万円かかる可能性があります。土地活用としては比較的手軽に始められる分類ではあるものの、大きな投資といえるでしょう。

収益性とのバランスを考慮する必要はありますが、できるだけ初期費用を抑えることにより、経営のリスクは小さくなります。

土地の一括借り上げを選ぶ

土地活用としての駐車場経営を考えた場合、一般的にはコインパーキングか月極駐車場になります。

立地条件がよく、時間貸しで高い収益性が見込める場合は、コインパーキングが望ましいでしょう。また、利用者の立場になれば未舗装よりも舗装されているほうがよいと考えられます。

初期費用は参考として前述した例では360万円で、手軽に始められる金額ではありません。

初期費用を抑えつつ収益も確保したい場合に検討したいのが、一括借り上げです。一括借り上げでは、運営会社に駐車場用地として土地を貸し、駐車場の設営や設備などは運営会社が行います。

オーナーには駐車台数に応じた借上げ賃料が支払われるため、毎月安定した収入を確保できます。しかも管理は運営会社が行ってくれるため、オーナーは任せきりで経営が可能です。

手軽に始められる砂利敷き月極駐車場

前述したように初期費用として最も手軽に始められるのが月極駐車場で、なおかつ「砕石路盤」が最も安く抑えられます。

砕石は、車の乗り入れが繰り返されて地盤が沈下することを防ぎ、水はけをよくする目的で施工します。活用する土地が畑などではなく表土が締まった平坦な土地であれば、表土に砂利を敷く程度でも駐車場として利用できる場合があります。

初期費用は数十万円で済み、既製の駐車場番号プレートを準備すると、月極駐車場としてすぐにでも経営を始められます。

加瀬グループにお任せください!

駐車場経営では、需要状況をよく見極め、最適な形態を選ぶ必要があります。時間貸しで高い収益が見込めるエリアで、コインパーキングではなく月極駐車場にするのは収益機会を逃しているといえるでしょう。

反対に中心部から離れたエリアでは月極のほうが安定した経営ができ、時間貸しでは稼働率が悪く収益性も悪化します。

また、エリアによっても料金体系が異なり、料金が高いと稼働率は悪くなりますが、安いと稼働率は上がっても収益性は低下します。

このように、事業として駐車場経営に行うには、エリアの需要状況に対し適するタイプや料金体系を決める必要があります。

そのためには実績のある専門家に相談することが大切です。独自の判断やインターネットで発信されている情報をうのみにするのはやめましょう。

また、所有している土地によっては、駐車場経営以外の活用方法が向いているかもしれません。

加瀬グループでは、駐車場経営を含めた幅広い不動産活用を取り扱っています。実績に基づいたノウハウが豊富なため、予算に合った的確なプランを提案できます。

駐車場経営を検討したら、まずはお気軽に加瀬グループへご相談ください。

お問い合わせ

投稿者

加瀬グループ編集部
加瀬グループ編集部
加瀬グループは、1973年 株式会社加瀬運輸の設立からはじまり、50年以上にわたり地域に密着した事業を展開しています。
当社の豊富な経験や実績をもとに、不動産活用でお悩みのオーナー様に便利でわかりやすい情報をお届けします。

駐車場の関連記事

人気の記事