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駐車場経営における利回りの相場は?シミュレーションや利回りを左右する要因

駐車場経営における利回りの相場

駐車場経営は、所有している土地を駐車場として貸し出し収益を得る投資手法です。安定した利益確保が期待できる土地の活用方法で、土地を所有している場合は少ない初期費用で始められます。

駐車場経営で利益を最大化するには、利回りの知識を持つことが大切です。駐車場経営の利回りの考え方や相場、利回りを左右する要因について解説します。

 

駐車場経営における利回りの考え方

利回りは、投資した資本に対して得られる収益の割合を示す指標です。この数値が高いほど、高い利益が期待できます。

利回りの種類には「表面利回り」「実質利回り」の2種類があります。これらの利回りの違いについて正確に理解しましょう。

2つの利回りは、それぞれ以下の計算式で求められます。

表面利回り(%)=駐車場の年間収入(満車時) ÷ 土地価格 × 100

実質利回り(%)=(駐車場の年間収入-ランニングコスト) ÷ (初期費用+土地価格) × 100

表面利回りは、どのぐらいの収益性があるかを経費を含めずに計算した数字で、グロス利回りとも呼ばれています。

一方、実質利回りは、経費を考慮するため、駐車場経営の収益性をより正確に表しています。

実質利回りを考える際の初期費用には、以下のような費用が含まれます。

  •  整地(アスファルト・コンクリート舗装)
  •  ライン引き
  •  駐車番号表記
  •  車止めブロック
  •  区画用ロープ

また、コインパーキングの場合は、追加で以下の費用が発生します。

  •  精算機の設置
  •  ロック板の設置
  •  看板および照明の設置

 

実際にかかる費用はその土地によって大きく異なります。同じ表面利回りでも、実質利回りを算出してみると大きな差が現れることがあります。こんなはずではなかったと後悔することがないよう、事前に必ず実質利回り計算しておきましょう。

 

駐車場経営における利回りの相場

駐車場経営の利回りシミュレーション

駐車場経営における利回りの相場はどれくらいなのでしょうか。種類別に紹介し、利回りを考えるときに重要な収益相場や稼働率の考え方を紹介します。

利回りの相場

月極駐車場の場合、実質利回りの目安は4%前後とされています。

投資における利回りは、仕入れや初期投資が低く、収益性が高い場合に高くなります。つまり、表面利回りの期待値で考えれば、田舎や郊外の土地価格の安い地域で、一般的な月極駐車場の相場賃料を得られれば、利回りは50%を超えることもあります。

また、コインパーキングの利回りは、一般的に15〜30%の範囲になると考えられていますが、こちらも初期投資や土地の相場などに左右されるため、始めるの前の利回りの想定や見積で慎重に判断しなければなりません。

地域別の収益相場

利回りだけでなく、収益性についても考えてみましょう。
総務省統計局「小売物価統計調査(動向編)」によると、地域別の収益相場は以下のようになっています(※2023年6月現在)。

■種類別・地域別の収益相場(単位:円)

  東京23区 札幌 大阪 広島 福岡
月極駐車場  2万7,139 1万2,433 2万  1万2,100 1万1,026
コインパーキング 692 427 300 287 200

※月極駐車場:1台あたり、コインパーキング:1時間あたり

東京23区や大阪などの大都市圏のほうが収益相場が高いことがわかります。しかし、そういった立地は土地の価格も高いため、利回りが高いとは限らないことに注意しましょう。

駐車場の稼働率

駐車場経営では、稼働率を上げることで利回りを向上できます。稼働率は通常、駐車時間を基準として考えられ、以下のような計算式で算出されます。

稼働率(%)=実際の駐車時間(1日) ÷ 24時間 × 100

たとえば、ひとつの駐車スペースの駐車時間が6時間の場合、稼働率は25%です。このように、すべての駐車スペースの稼働率を合計して平均することで、総稼働率がわかります。

利回りを上げたいからといって賃料を高くしすぎても、利用者が少なくなってしまうおそれがあります。1台ごとの賃料が低くても稼働率を高めることで利回りを上げる戦略もあります。

 

駐車場経営の利回りシミュレーション

これまでの内容をふまえ、以下の条件を設定して、実際に駐車場の利回りを計算してみます。

  •  駐車できるスペース:20台
  •  1台あたりの賃料:2万円
  •  土地の価格:3,000万円
  •  土地の整地費用:700万円
  •  税金や管理費など:年間350万円
  •  契約率:90%

表面利回りと実質利回りはそれぞれどうなるのでしょうか。

表面利回りを求める

満車時の年間収入は、以下の計算式で求められます。

年間収入=20台 × 2万円 × 12カ月=480万円

これを表面利回りの計算式にあてはめてみましょう。

表面利回り(%)=480万 ÷ 3,000万 × 100=約16%

表面利回りは約16%ということになります。

実質利回りを求める

初期費用や経費も考慮して実質利回りを求めてみます。

実質利回りの場合、年間収入は契約率を加味した以下の計算式で求められます。

年間収入=20台 × 2万円 × 0.9 × 12カ月=432万円

実質利回りは、年間の収入から初期費用と経費を差し引いたものをもとに、以下のように算出します。

実質利回り=(432万-350万)÷(3,000万+700万)×100 = 約2.2%

実際の利回りとしては、約2.2%となりました。つまり、実質利回りとは13.8%もの差があることがわかります。

駐車場経営では、駐車可能台数や契約率、賃料などの各要素が利回りに影響を与えます。高性能な設備を導入する場合は、初期費用が増えることに留意しましょう。

事前に経営戦略をしっかりと立て、市場ニーズに合った経営かどうかを見極めるのが重要です。

関連記事:駐車場経営でかかる税金一覧|計算例や税金対策も紹介

 

駐車場経営の利回りを左右する要因

駐車場経営の利回りを左右する要因

駐車場経営では、単に賃料を引き上げるだけで必ずしも利回りが向上し、駐車場経営が成功するとは限りません。

駐車場の利回りを左右する要因には、土地の条件に限らず以下の2つも関係してきます。

  • 運営方式による違い
  •  相談する不動産会社

運営方式による違い

駐車場経営には、以下3つの方法があります。

  •  一括借り上げ
  •  自主管理
  •  管理委託

どの方法を選択するかによって、初期費用だけでなく維持費にも違いが生じてきます。

それぞれの違いを比較してみましょう。

一括借り上げ(サブリース)

土地を運営会社に貸し出す方法で、通常はコインパーキングに用いられます。運営会社から毎月定額の借地料が支払われるため、収益は一定の賃金に制限されます。自主管理のように駐車場経営で得た最大限の収益を得ることはできないため、利回りを高くするのは難しいでしょう。

しかし、駐車場の利用状況にかかわらず安定した収入を得られるうえ、駐車場管理もすべて担ってくれるメリットは大きいでしょう。

自主管理

自主管理とは、駐車場の管理を自主的に行う方法です。掃除やトラブル対応など、オーナー自身で行う必要があります。

仮に月3万円の賃料で15台の月極駐車場を経営した場合、1カ月で得られる賃料は45万円です。ここから、運営に必要な維持管理費を差し引いたものが収入です。

しかし、自主管理は高い利回りを得られる可能性はありますが、その分リスクを伴います。

駐車場経営を始めるには、事前の周辺リサーチや宣伝活動が大切ですが、自主管理では難しい面があるでしょう。

管理委託

管理委託とは、駐車場の運営会社に駐車場の管理を委託する方法です。オーナーが管理委託料を支払うことで、駐車場の掃除や巡回、新規契約者の募集や契約手続きなどを運営会社に委ねられます。また、管理会社からの経営アドバイスを受けることも可能です。

利回りは高くありませんが、安定した収入を確保できます。

相談する不動産会社選び

駐車場経営では、不動産会社のサポートが必須です。パートナーとなる不動産会社の実力によっても利回りは大きな差が生まれます。

利回りの基本的な知識から相場、利回りを左右する要因に至るまで、駐車場経営を初めて行う人にとっては知らないことが多くあります。

そのため、パートナーとなる不動産会社に任せきりになる部分もあるでしょう。高い利回りを得たいなら、優良な不動産会社に相談するのが鉄則です。

関連記事:土地活用で最も無難な選択は駐車場経営?駐車場の利益を最大にする活用法を解説

 

駐車場経営は加瀬グループにお任せください!

駐車場経営は、資産運用にもつながる魅力的な収入源のひとつです。利回りを最大化するためにも、まずは不動産活用を幅広く取り扱っている専門家に相談することをおすすめします。

加瀬グループは、駐車場経営だけでなく、レンタルボックス経営やアパート経営など、あらゆる不動産活用を全国で展開してきました。そのため、利回りに関する基本的な要点から投資収益のシミュレーションまで、より詳細な情報を提供できます。

駐車場経営を始める際は、まずは加瀬グループにお任せください。

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