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土地活用でコインパーキング経営を検討中の方へ!基礎知識やメリット・デメリットを徹底解説

土地活用の一環として、保有している土地をコインパーキングにできないかと考えている人も多いのではないでしょうか。リスクが小さくて人気の高いコインパーキング経営ですが、経営方法を正しく理解しておかなければ成功は期待できません。そこで今回は、コインパーキング経営の基礎知識を踏まえ、メリット・デメリットやほかの土地活用方法との違いなど、気になる情報を紹介していきます。

 

コインパーキング経営とは?

外出先などで駐車しなければならないときに、手軽なコインパーキングを利用したことのある人も多いでしょう。実はこのコインパーキング、土地活用の一環として個人が経営することもできるのです。そもそもコインパーキングとは、不特定多数のドライバーが自分の車を停め、利用していた時間に応じた料金を支払うスタイルの駐車場のことです。駐車場経営と聞くと月極駐車場をイメージしがちですが、コインパーキングは月極駐車場とは大きく特徴が異なります。

特徴1:大きな利益に繋がる可能性がある

月極駐車場は、駐車場を利用する人が月ごとに決まっています。利用者ごとに1カ月分の料金を請求するのが基本的な契約スタイルであり、利用する車の台数によって毎月の収入の上限が決まるため、それ以上の利益は期待できません。これに対して、コインパーキングは利用者が限定されず、利用台数や利用時間によって収入が増減します。利用台数が少なければあまり利益を得られませんが、需要が高い場所であれば車が次々に入れ替わるため、高収入を得ることも可能です。

特徴2:初期費用がかかる

初期費用の面でも違いがあります。月極駐車場は、白線やロープなどで個別の駐車スペースを区切る、車止めを設置するなど比較的簡単な準備でスタートすることができます。一方のコインパーキングは、料金精算機やロック板、ゲート機などの設備を導入しなければなりません。すべての設備を自分で準備すると、300万円ほどは必要になるでしょう。このように、月極駐車場は安定しているものの収入が限定的、コインパーキングは初期費用がかかるものの高収入も期待できるというように、それぞれ特徴が異なります。特徴を正しく理解した上で、自身が所有する土地でコインパーキングを経営することが最適かどうかを判断しましょう。

 

コインパーキング経営のメリット・デメリット、他の土地活用方法との比較

コインパーキング経営には、ほかの土地活用方法とは異なるメリット・デメリットがあります。イメージしやすいよう、オードソックスな土地活用方法であるアパート・マンション経営と比較しながら見てみましょう。

メリット1:経営のハードルが低い

アパート・マンション経営の場合、経営を続ける限り物件と入居者の双方を管理しなければなりません。物件の修繕や入退去の手続き、原状回復やトラブル対応など、管理の手間が非常に大きいです。これに対して、コインパーキングの経営で必要な管理といえば、敷地の清掃や設備のメンテナンス、トラブル対応くらいです。これらは日常的に発生するわけではなく、必要に応じて都度行えば良いだけですし、トラブルについても管理責任を追及されるケースは多くありません。経営方法によっては管理を専門業者に丸ごと任せることもでき、何もせず収入だけ得られるケースもあるのです。このように、あまり手間がかからないため、サラリーマンなど本業を別に持っている忙しい人でも気楽に経営することができます。

メリット2:投資額を抑えられる

アパート・マンション経営を始めるには、まず物件を建てなければなりません。物件にもよりますが、税金や諸々の費用を合わせて安くても数千万円は初期費用として必要です。その後も、定期的な修繕や共用部分の光熱費、損害保険料、仲介会社や管理会社に支払う手数料など、一定の維持費がかかります。ある程度の資金がなければ、手を出すのは難しいでしょう。一方のコインパーキング経営は、初期費用として設備を導入したり定期的なメンテナンスが必要だったりしますが、物件の建築・管理と比べれば非常に安く済みます。経営方法によっては、コインパーキングを管理する専門業者に土地を貸し出し、初期費用0円で経営を始めることも可能です。資金や特別な知識がなくても始められるため、土地活用の初心者でも安心できるでしょう。

メリット3:撤退・転用が容易

アパート・マンション経営は初期費用や維持費が高額な分、万が一経営がうまくいかなければ多額の融資を受けなければなりません。物件がある分、土地の売却がスムーズにいかないこともあり、すぐに撤退できず負債が膨らんでしまう恐れもあります。これに対し、ゲートやロック板、料金精算機など撤去が比較的簡単な設備で経営するコインパーキングは、撤退や転用が簡単です。アパート・マンション経営のように借地借家法による借主保護も適用されないため、利用者のために撤退できないという事態も発生しません。

メリット4:老朽化や災害などのリスクが小さい

利用者に貸すのはあくまでも土地であり、物件は必要ありません。このため建物の老朽化にともなう修繕や建て替え、自然災害や火災などによる損害などを受けにくいです。土地の舗装や設備、看板などは老朽化して交換が必要になることもありますが、アパート・マンションと比べれば負担はかなり軽いでしょう。利用料も土地が基準となっているため、老朽化などで価値が下がることもないので安心です。

このように数々のメリットがある一方、注意したいデメリットもあります。

デメリット1:土地の利用効率が悪く、効率的に収入を得られない場合がある

アパート・マンション経営であれば、2階建て3階建てという具合に物件に高さを出し、収入を増やすことができます。ところが、コインパーキングは基本的に平面で展開するしかありません。立体駐車場のコインパーキングにして高さを出すことも可能ですが、ある程度の広さや初期投資が必要になるため、よほどの収入がなければ効率的とはいえないでしょう。ただ、土地あたりの利用効率が悪いとはいえ、初期投資や経営にかかる手間があまりかからないことを考えれば深刻なデメリットというほどでもありません。

デメリット2:土地活用における節税効果が期待できない

土地には毎年固定資産税が発生し、あらかじめ定められた評価額にしたがって税金を納めなければなりません。アパート・マンション経営の場合、物件が居住用の土地であるため、固定資産税が最大で6分の1にまで軽減される優遇措置を受けることができます。ところがコインパーキング経営の場合、居住用の物件が建っていないためこの優遇措置を受けられず、アパート・マンション経営と比べて割高な固定資産税を支払う必要があるので注意しましょう。

関連記事:土地活用の完全ガイド!おすすめの活用方法から失敗への対処法まですべて解説

 

コインパーキングに向いているのはどのような土地か

毎月の収入が安定している月極駐車場と違い、コインパーキングは多くの車が頻繁に入れ替わらないと収入が確保できません。このため、経営を始める際は必ずその土地が「コインパーキングに向いているかどうか」を確認するようにしましょう。

チェックポイント1:近くに繁華街や大型の商業施設があるか

こういった土地は車での来訪者が多く、かつ駐車場が不足しがちです。電車やバスといった公共交通機関の利便性が悪く、車以外では行きにくい土地だとなお良いでしょう。なお、商業施設の場合は定休日や閉店後には利用者が激減する可能性があるため、総合的な判断が必要です。

チェックポイント2:道路幅の広さ

道路幅が十分に広く、車の出入りがしやすい土地も向いています。道路幅が狭いと車を停めにくく、敬遠されるケースも珍しくないので周辺の道路状況を詳しくチェックしておきましょう。もちろん、敷地内の駐車スペースにある程度の余裕があることも大切です。利用効率を上げようと駐車台数を増やしすぎると、スペースが狭く停めにくい構造になってしまう可能性があります。車どうしの接触など余計なトラブルが増える恐れもあるので、ほどよい駐車台数とスペースを確保できる設計にしましょう。

関連記事:駐車場に必要な寸法・スペースから、駐車場全体の設計を考える!

チェックポイント3:道路と土地の高低差

出入りするための道路と高低差がない土地もコインパーキング向きです。高低差があるとスロープ工事が必要になるため、余計な費用がかかってしまいます。高低差が激しいと車高が低い車などがバンパーを擦り、利用者から敬遠されてしまうかもしれません。もともと高低差がない土地であればこういったことも起きないため、費用やトラブルの心配なく経営を始めることができます。

チェックポイント4:競合駐車場の料金や稼働率

競合駐車場の利用料金や稼働率、立地などの事前調査をしておくことも欠かせません。
競合駐車場の調査をすることで、収入を得るためのさまざまなヒントが得られます。たとえば、利用料金を周辺より安く設定すれば、より多くの利用者を呼び込めるでしょう。周辺の競合駐車場の稼働率が良ければ、コインパーキングの需要が高く、ある程度の収入が見込めると判断できます。逆に稼働率が悪ければ、需要が少なく、経営を始めても思ったほど収入が得られない可能性が高いです。また、調査することでその地域ではどのようなタイプの車が多いのか、どの時間帯によく利用されるのかなど、料金設定や駐車スペースの設計などに役立つ情報も得られるでしょう。

 

コインパーキングの経営方法は3種類

コインパーキングの経営方法は、「管理委託方式」「一括借り上げ方式」「自己経営」の3種類に分けられます。

経営方法1:管理委託方式

コインパーキングを始めた後、管理業務だけを専門会社に委託するという方法です。売上の回収や敷地の清掃、メンテナンスやトラブル対応といった実務的な部分を委託します。売上金はコインパーキングの経営者が全額受け取り、そこから委託先の専門会社へ委託料を支払うスタイルが一般的です。委託料という負担は発生しますが、手間のかかる実務を行う必要がないため、経営自体は楽になります。

経営方法2:一括借り上げ方式

コインパーキング運営の専門会社と契約して土地を貸し出し、オープンから管理運営まで一連の実務をすべて任せる方法です。経営者は駐車場経営にかかわる必要がなく、毎月固定の賃料を専門会社から受け取ります。工事を自分で行わないため初期費用0円でオープンすることも可能で、管理業務も一切行うことはありません。ただし、いくらコインパーキングの売上が良くても、固定の賃料以上の収入は得られません。

経営方法3:自己経営

土地整備や設備の導入、管理運営まですべてを経営者自身の手で行う方法です。かなりの時間と手間がかかりますが、間に専門会社が入らない分、売上のほぼすべてが自身の収入になります。努力と工夫次第で高収入を得ることも可能ですが、一方で利用者の募集も自分で行うため、需要の低い土地でオープンしてしまうと収入が得られず損をしてしまう場合もあります。

これら3種類の経営方法はそれぞれ特徴が異なるので、自身の生活スタイルなども含めて検討し、最適なものを選びましょう。

 

コインパーキング経営でローリスクの土地活用を始めよう!

ローコスト・ローリスクで始められるコインパーキング経営は、初心者でもチャレンジしやすい土地活用方法です。メリット・デメリットを正しく理解し、土地や経営方法をうまく選べば安定した収入を得ることもできるでしょう。まずは自身の所有する土地の立地や性質を見極め、どのような土地活用が最適かしっかり検討することから始めてみてはいかがでしょうか。

関連記事:土地活用で最も無難な選択は駐車場経営?駐車場の利益を最大にする活用法を解説

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加瀬グループ編集部
加瀬グループ編集部
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