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ロードサイド店舗の土地活用とは?経営の注意点などをご紹介

土地活用を考えている方なら、ロードサイドという言葉を耳にしたことがあるかもしれません。ロードサイド店舗は高い収益が望めるため、土地活用の手段として人気があります。しかし、うまい話ばかりではなく、当然デメリットも存在します。

そこで、ここではロードサイドの土地活用と注意すべき点をまとめて紹介しています。

ロードサイド店舗とは

2.ロードサイド店舗とは

ロードサイド店舗とは、幹線道路沿いや郊外の生活道路沿いにある店舗のことです。交通量が多い土地に店舗を建てることで高い収益が望めるため、多くのフランチャイズ店舗がロードサイドに出店しています。有名なハンバーガーチェーン店や全国展開のコンビニエンスストアは、街中や駅にある店舗以外はほとんどロードサイドに店舗を構えています。それだけロードサイドは土地の需要が高く、大手企業がこぞって出店を狙っている土地なのです。

幹線道路沿いや生活道路沿いに土地を所有している場合、複数の大手企業からロードサイド店舗として土地を活用しないかと打診されることもあるでしょう。土地オーナーにとっては、店舗運営事業者に土地を貸し出すだけで賃料や地代が入るので、活用法の一つとし検討する方は少なくありません。

ロードサイドの集客性について

そもそも、ロードサイドに店舗が集中する理由の一つとしては、車で移動中のお客さんを店舗に誘導できるという強みが挙げられます。看板の置き方ひとつ、店舗の位置ひとつで、外出の目的ではなかったお客さんも来客する可能性が十分に生まれるため、集客が予想できない場所に出店するよりもリスクが低いのです。

とはいえ、幹線道路沿いにある土地なのか、生活道路沿いにある土地なのかで客層が異なるので、見込み客を読み間違えると経営が上手くいかない可能性があります。

ロードサイドの配置も種々様々

ロードサイドと一口にいっても、トラックなどの運搬車がよく走る幹線道路では、飲食店やコンビニエンスストアが出店されている傾向があります。長距離を運転する車の交通量が多いと、休憩がてら立ち寄るお客さんが一定数いると予測できるためです。

なかでも土地の競争率が高いのは、ロードサイドの交差点にある受け角でしょう。信号を超えた先にある受け角は駐車場から出やすいですが、信号が目の前にある送り角は赤信号だと車が出にくいうえにいったん流れが止まります。送り角に出店するとお客さんの回転率が悪くなったり、信号に注目が集まることで店舗を素通りされたりするリスクが少なからずあるのです。

ロードサイト店舗の配置の工夫

また、ロードサイド店舗は受け角のほか、アウトカーブも集客効果が望めるので人気があります。カーブを運転していると自然に目線は外側に向けられるため、インカーブに出店するよりアウトカーブの方が店舗を認知してもらいやすいからです。

とはいえ、受け角やアウトカーブだけが収益が見込める土地かというと、実際は周辺環境によっても集客力は異なります。たとえば、ロードサイドに複数の店舗が密集している場合、ゾーン効果が得られる可能性があります。ゾーン効果は、ジャンルの異なる店舗やジャンルの同じ店舗が軒を連ねることで、他の店舗に来た客を獲得できる効果のことです。

ロードサイド店舗のゾーン効果の事例

よくあるのが、携帯電話ショップの横に100円ショップが建てられているケースや、回転寿司とラーメン屋などが隣合っているケースです。同じ場所に建てると客を奪われる危険性がありますが、上手くいけば相乗効果が狙えます。前者の他ジャンルの店舗が隣同士にあるケースでは、ついで買いが期待できます。

反対に、後者の同ジャンルの店舗が集合しているケースでは、飲食店が集う場所とお客さんに認知してもらうのに役立ちます。上記のようにロードサイド店舗の運営が上手くいけば、安定的に賃料や地代を受け取れ収益を最大化できる可能性があるので、土地活用でロードサイド店舗の出店をするというのも一つの手です。

ロードサイド店舗経営の注意点

3.ロードサイド店舗経営の注意点

ロードサイド店舗には良い側面がある一方で、当然ながら失敗するリスク、注意点も存在します。交通量が多い、人通りが多いからといっても一概に集客力が高い場所とは限らないためです。周囲の競合店の状況がどうなっているか、ターゲット層はどうなっているかを入念に調べる必要があります。ロードサイド店舗を経営しようとする方が真っ先に考えるのが、フランチャイズ店舗への土地の貸し出しではないでしょうか。

大手企業がこれまで培ってきたノウハウや知名度が既にあるので、継続的に収益が見込めると人気があります。しかし、店舗に土地を貸し出す際は、初期投資やリスクはある程度避けては通れないと念頭に置かなければなりません。

市場データは鵜呑みにせず参考程度に

ロードサイド店舗を経営するにあたって、フランチャイズ店舗経営の説明会に参加したり、スーパーアドバイザーに相談したりする方は多いでしょう。経営するジャンルの市場調査を前もって行うのは非常に大切です。

とはいえ、説明会や相談の際は、資料に掲載されているデータばかりに着目していると、デメリットを見落とす危険性があります。たとえば、店舗経営前の説明会でもらう資料が全国平均の1日売上額であった場合、資料の数字をそのまま鵜吞みにするのは危険だといえます。

全国平均なので地域によってはデータが全くあてにならない可能性があるためです。出店する店舗の地域が、暖かいか寒いか、はたまた晴れが多いか雨が多いかでも売れる商品や客層は全く異なります。

売上は変動するものとして考える

ロードサイド店舗の経営では、時期によっても売上にばらつきが生じる可能性があります。交通量が多い時期は売上が増えても、交通量が少ない時期は売上が極端に下がることも考えられます。

1年を通して売上に波があるというリスクを事前に把握しておかないと、事業者が経営にかかる固定費を捻出できず地代が回収できないといった事態に陥るケースも少なくないのです。土地だけ所有している場合、大抵は定期借地として貸出し、店舗運営事業者に建物を用意してもらって毎月地代をもらうカタチになります。

リスクは常に考えること

店舗運営事業者が毎月地代を収められるとは限らず、売上が低い月でも一律に同じ金額を支払い続けること限界が来る危険性があります。店舗運営事業者の経営が上手くいかず立ち退けば、当初予定していた地代を回収することはできなくなります。建物を土地オーナーが用意し地代プラスアルファの固定賃料をもらうという契約方法もありますが、店舗を建てるには初期投資を増やす必要があります。

当然ながら初期投資を増やす分だけ、手元のお金が減ったり、借金をしたりとリスクを背負うことになります。店舗経営は高い収益が期待できる一方で、戦略的に経営をしなければ多大な初期費用だけがかかってしまう恐れがあるのです。

契約の際の注意点

所有している土地を利用してロードサイド店舗の経営をするなら、契約時にいくつか気をつけたい注意点があります。

事業方式について

上記で少し説明したように、土地貸出には2種類のタイプがあります。1つは土地だけを店舗運営事業者に貸し出す定期借地方式、2つめは土地に上物を建てて店舗運営事業者から固定賃料をもらう一括借上方式です。前者は地代しか入りませんが、後者は建物分も入ってくるので高い収益を期待できます。

とはいえ、建物が必要になると初期投資が増えるので、大半が事業用定期借地として貸し出すケースが多いでしょう。リスクとリターンを考えて、どちらの契約が収益を得られるかはよく検討しておくことが大切です。

事業用定期借地権について

契約期間は10~50年未満と決まっており、期間満了時には一度清算する必要があります。再契約を結び直すことはできますが、契約の更新はできないため、契約満了時に店舗が撤退する恐れがないとは言い切れません。

さらに、店舗運営事業者と契約を結ぶ際は、途中で契約を解除される危険性もあるので注意が必要です。契約時に途中解約についてのペナルティを決めておかないと、事業者が直ぐに撤退してしまったり、条件の良い土地に移ってしまったりするリスクがあります。特約に途中解約権の留保する旨を記載しておくことが大切です。

土地活用を行う場合は、周辺状況や店舗運営事業者の力量を見誤ると、投資した分を回収できない可能性があります。土地を貸し出すだけでなく、周辺環境からどういう業種が向いているのか、店舗を建てたとしてお客さんが駐車場に入りやすい立地なのかをよく検討する必要があります。

交通量は多いのに行き交う車のスピードが速すぎて、店舗を建てるには向いていない立地も存在するので注意しましょう。後から不利益を被らないためにも、契約時には必ず内容を細部まで確認するようにしてください。

 

店舗事業者選びが最重要

4.店舗事業者選びが最重要

ロードサイド店舗の経営が上手くいくかどうかは、店舗運営事業者選びにかかっているといっても過言ではありません。高い固定賃料や地代を提示されたとしても、条件をあまり考えずに契約してしまうと後が大変です。いくつかの企業から打診があった場合は、収益だけを見て決める前に一度よく検討してみてください。

たしかに、契約時に賃料や地代が高い方がより収益を見込めますが、売上が思うように伸びなかったからと、賃料や地代の値下げ交渉をされる可能性があります。一時高い賃料や地代を得られるかではなく、運営事業者のブランド力や客層を予測し、持久力のある店舗運営事業者を選ぶことが重要でしょう。

ロードサイドの受け角やアウトカーブのような良い立地じゃなくても、事業展開に成功している企業はあります。全国にチェーン店がある有名なうどん屋さんでは、立地の良し悪しではなく、店舗の魅せ方で集客に成功しています。これといって特徴があるわけではないロードサイドに店舗を構えているのですが、料理を作る工程をみせた経営戦略で、ファミリー層から絶大な支持を得ているのです。

反対にいえば、いくら立地が良くても選ぶ事業者によっては、収益化が難しくなるケースがあります。ブランド力や客層を見誤まって、当初想定していたお客さんが流れてこないという可能性も考えられます。

土地活用は土地事情に明るい土地活用事業者に相談

土地活用では、オーナーが企業から話を持ち掛けられ、予想利益だけを見て誰にも相談せずに、店舗への貸し出しを決めてしまって失敗するというケースはあります。目先の利益に惑わされないように、できることなら家族や知人ではなく、第三者に判断してもらう方が客観的に物事を判断できます。

さらにいえば、土地の事情に明るい専門家に相談したほうが、所有している土地の周辺で大規模な開発が予定されていないか、エリアの特性から予想される客層はどうなのか判断しやすいといえます。ロードサイド店舗の経営で悩んでいるなら、その土地の特性を深く理解している土地活用事業者に相談してみましょう。

 

店舗事業者選びは慎重に

ロードサイド店舗は、集客に適した立地であることから高い収益性が見込まれます。しかし、誰でもロードサイド店舗を経営すれば上手くいくというものではなく、どのような事業に貸し出すかよく吟味する必要があります。ロードサイド店舗の経営が上手くいくかは、事業内容や市場に左右されやすいため、店舗運営事業者選びは慎重に行いましょう。

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加瀬グループ編集部
加瀬グループ編集部
加瀬グループは、1973年 株式会社加瀬運輸の設立からはじまり、50年以上にわたり地域に密着した事業を展開しています。
当社の豊富な経験や実績をもとに、不動産活用でお悩みのオーナー様に便利でわかりやすい情報をお届けします。

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