土地活用としての資材置き場はどういった特徴がある?賃料収入の目安や契約期間
相続などで取得した土地を活用して、収益化したいと考える方も多いでしょう。
土地活用としてまず検討するのが、アパートの建設や駐車場でしょう。しかし、田舎のような土地の場合はアパートや駐車場の需要が少なく、赤字になるリスクがあります。
そこで、そのような土地の活用でおすすめの選択肢として、資材置き場があります。建物の建設をせずに更地のまま貸し出せるため、気軽に始められます。
本記事では、土地活用としての資材置き場の特徴や注意点を詳しく解説します。
目次
資材置き場の需要はある?
資材置き場は、どのような人に需要があるのでしょうか。まずは、土地活用として資材置き場を検討する上で、知っておくべき基本的な知識を理解しておきましょう。
資材置き場の利用者
資材置き場の利用者は、建設業者や土木業者です。建設資材や土木の資材を一時的に保管するために利用します。建設資材などは容積が大きいため、まとまった土地が必要です。
貸し出す方法として、下記のようなケースがあります。
- 地元の業者に長期間貸し出す
- 近隣で大きな工事がある際に、その期間限定で貸し出す
向いている土地
土地活用としての資材置き場に向いているのは、アパートや駐車場などの賃貸経営が難しい田舎の土地です。
特に、都市として市街化することを抑制する市街化調整区域では、原則として住居や商業施設などの建設が制限されています。市街化調整区域は土地活用の選択肢が少ないものの、建物を建てなくてもよい資材置き場であれば活用しやすいでしょう。
資材置き場の周辺は大型トラックの往来が増えるため、住宅地内にあるとクレームの原因になります。そのため、建設業者や土木業者も、住宅や商業施設がない市街化調整区域のほうが、資材置き場を設けやすいです。
また、立地や敷地の広さ、接道状況も重要です。資材置き場には大きな建設資材などを置き、大型トラックなどが出入りするからです。
具体的には、幹線道路沿いなど、前面道路の幅員や間口が広い土地が適しています。しかし業者の規模によっては、狭い土地や不整形の土地でも、資材置き場として活用できるケースもあります。
賃料収入はどれくらい?
実際に土地を資材置き場として活用する場合、どの程度の賃料収入を見込めるのでしょうか。
資材置き場の賃料は、毎年1月1日時点の土地の所有者に課せられる固定資産税の、約5〜8倍が目安といわれています。
固定資産税は、固定資産税評価額の1.4%です。固定資産税評価額は、土地を実際に購入する価格の約70%が目安です。
固定資産税評価額3,000万円の土地であれば、税額は42万円と高額です。しかし資材置き場に適しているような、田舎の土地や市街化調整区域にある山林や雑種地の場合は、固定資産税評価額が500万円以下、税額は年間数万円ということも珍しくありません。
地域にもよりますが月額の賃料に換算すると、1坪あたり数百円というのが平均的な相場です。
200坪以上など、ある程度広い土地の場合は月に数万円の収入を得られるケースもあります。しかし、土地が広くない場合は大きな利益は期待できません。
土地活用としての資材置き場の特徴
土地活用としての資材置き場の魅力を具体的に紹介します。
更地のまま貸し出せる
資材置き場は、多くの場合更地のまま貸し出すことが可能です。
アパートなどで土地活用をしたい場合、まず建設費がかかります。駐車場経営をする場合でも、アスファルトを施工したり、管理会社へのコストが発生します。
アパートや駐車場の需要が見込める都心部と違い、田舎ではそのようなコストをかけること自体がリスクです。
資材置き場の場合は、土地活用をするために事前のコストがかからないという点が最大の魅力です。
また、整地をする必要がある場合でも、貸し出す建設業者に重機があれば借主が行ってくれるケースが大半です。初期コストがほぼかからない土地活用と考えてよいでしょう。
安定的な収入が見込める
特定の業者の資材置き場として貸し出す場合、事業用定期借地権として貸し出すことが一般的です。
以前は契約期間が10年以上20年以内となっていましたが、2008年の法改正により10年以上50年以内の契約が可能になりました。
法人相手に貸し出すことになるため、定期的に借主が入れ替わる個人相手のアパートや駐車場経営と比較して賃貸経営リスクが低いです。長期的な安定収入が見込めることは、大きな魅力といえます。
土地の管理の手間が不要
土地を所有していると、管理が必要です。建物が建っていれば修繕や管理が必要ですし、更地の状態でも不法投棄や雑草の管理などの手間がかかってしまいます。
資材置き場として土地を貸し出すことで、そうした管理が不要です。自宅から離れたところに土地を所有している場合は、大きな魅力といえるでしょう。
転用しやすい
資材置き場は、土地を更地の状態で貸し出しているため、貸出期間の終了後は他の用途に転用しやすいという特徴があります。
そのため、将来的に土地を以下のように活用することを検討している方に向いているでしょう。
- 周辺地域の賃貸需要が高くなったためアパートを建設する
- 一戸建てを建設して自宅にする
土地活用として資材置き場にする際の注意点
土地活用としての資材置き場はさまざまな魅力がありますが、注意すべき点もあります。
注意点①節税効果が低い
資材置き場として土地を活用する場合、アパートやマンションなどの建物を建てる土地活用と比較すると、税制上の軽減措置が受けられないというデメリットがあります。
土地に建物が建っている場合は、以下のような制度があります。
- 土地にかかる固定資産税が6分の1になる軽減措置
- 相続税の軽減措置
- 建物部分について減価償却が認められ、賃料収入に対する所得税を軽減できる
建物を建てやすく、利用価値も高い市街地の土地であれば、節税目的では建物を建てる土地活用のほうが有利といえるでしょう。
注意点②契約期間
前述したとおり、事業用定期借地権では長期の契約が可能になったため、土地の所有者にとっては安定した収入を見込める土地活用といえます。
しかし、将来土地の近くに駅ができて、土地の利用価値が向上したのでアパートやマンションを建てたいと思っても、借地契約期間が満了するまで土地を返してもらうことはできません。
都市計画は政治の動向で大きく変わることもあるため、注意が必要です。
注意点③農地転用が必要な場合も
資材置き場として活用したい土地が農地の場合、たとえ短期間であっても農地の転用許可が必要です。
農地は国民の食糧を生産するための土地ですから、国は農地をそれ以外の用途に変更することに一定の制限を設けています。
該当する土地が市街化区域にある場合は、各市町村の農業委員会に下記のような書類を提出して農地転用の許可を申請します。
- 指定の申請書
- 登記簿謄本
- 工事の工程表
- 所在地がわかる地図
市街化調整区域の場合は、さらにハードルが高くなります。各市町村の農業委員会での審議の後、添付された意見書を元に再度都道府県で審議されます。
二段階の審議が必要になるため、市街化区域よりもハードルが高く、原則として許可されにくいと考えておいたほうがよいでしょう。
注意点④ほかの活用方法も検討する
資材置き場にはさまざまなメリットがありますが、立地条件や広さによっては別の土地活用が向いている可能性もあります。
たとえば、幹線道路に面した広い土地であれば、工場や倉庫の用地としてのニーズがあるかもしれません。住宅街に近ければ、駐車場やアパート経営のほうが向いている可能性もあります。また、農地であれば農業法人に貸し出すこともできます。
それぞれの活用方法で入念なシミュレーションをして、実際の賃料相場などを調べることが大切です。
資材置き場への土地活用は加瀬グループにご相談ください!
土地活用の方法は数多くあるため、どれを選べばよいか迷う方は多いでしょう。
資材置き場は田舎の土地に向いている活用の方法ですが、実際に適しているかはその土地の条件によって大きく変わります。
加瀬グループは土地活用の実績が豊富なため、お客様が所有する土地に合った活用方法の提案が可能です。
また、農地転用が必要な場合でも、加瀬グループでは手続きの代行をしております。土地の活用を検討したら、まずはお気軽にご相談ください。
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