空き地活用で有効な方法とは?土地の特徴に合った活用方法を選ぶ!
空き地を更地のままにしていると、固定資産税が高くつきます。空き地を保有している人やこれから相続を予定している人は、どのように活用したらいいか悩むこともあるのではないでしょうか。また、活用するにしても、立地など土地の状況によって使い方は変わってきます。そこで、この記事では空き地活用法の選び方や代表的な活用例などを紹介していきます。
目次
空き地を活用する前に押さえておきたい4つのポイント
空き地活用をするといっても、何でもいいというわけではありません。活用法によっては初期投資ばかりかかってしまい、収益性が見込めないこともあります。そこで、空き地活用を行う前に押さえておきたいポイントについて説明していきます。土地面積や立地などさまざまな条件を踏まえながら、どのポイントを重視すべきかあらかじめ考えてみることが重要です。
1.収益性
収益性とは、どれくらい儲けが出るかということです。利益を出すことは空き地活用をするうえで基本といえます。例えば、収益を得るために賃貸物件を建てる人もいますが、建物を建てるだけでは安心できません。実際に利益が出るかどうかが重要です。賃貸の場合は需要があるのか、どれくらいの賃料が妥当なのかなどさまざまな角度から考えておきましょう。初期投資分の回収できるのはもちろん、固定資産税、管理費などが十分出せることも大切です。
2.安定性
収入が高いものであっても、一時的で終わってしまっては意味がありません。安定的に利益が得られるかどうかも念頭に置いて考えましょう。例えば、老朽化にともなって改修工事が必要な場合、収益に安定性がないとメンテナンス費用ばかりかかることになります。理想的なのは、不特定多数の人が継続的に利用しやすい空き地活用です。安定的に収益が得やすい空き地活用ができれば、老後も安心できるのではないでしょうか。
3.初期投資
空き地活用をする際、初期投資がどれくらいかかるかも算出しておく必要があります。初期投資は、できるだけかけないことが重要です。たとえ自己資金でまかなえる状態であっても、極力抑えられる方法を考えた方がいいでしょう。土地の活用方法によっては、初期投資ばかりかかって収益性が低くなる場合もあります。
4.節税対策
空き地活用に関わる税金といえば、はじめにかかるのは相続税です。しかし、一旦相続すれば、保有している限り毎年固定資産税がかかりますし、収益に対しては所得税も納めなければなりません。相続税は、被相続人の死亡を知ってから10カ月以内に納める必要があります。固定資産税は分割での納税も可能ですが、所得税や相続税については一括で納めることになっています。できるだけ無理なく払うために、節税対策ができる空き地活用をすることが重要です。
自分に合った土地活用は?市場調査で最適な方法を選んでみよう!
自分に合った空き地活用をするには、市場調査を行うことも大切です。せっかく初期投資を行っても、土地が活用方法に向いていなかったりニーズがなかったりすれば収益性は見込めません。もちろん、安定的に収益を得ることなど無理な話といえます。保有する空き地の周辺エリアについて、しっかり調査しておきましょう。では、どのような点を調査すべきか説明していきます。
1.空き地の広さについて
土地面積がどれくらいあるかは重要な問題です。空き地の広さに応じて何ができるか決まるといってもいいでしょう。例えば、100坪程度の広さなら貸し駐車場やトランクルームなども可能な広さです。アパートや貸し事務所なども可能ですが、あまり多くの入居者は見込めないかもしれません。また、土地が広い場合はその分固定資産税がかかりやすくなります。
2.接している道路について
土地自体は広くても、接している道路の状況によっては用途も限られてきます。特に注意して見ておきたいのは幅です。通常、土地に接している道路の幅が4mよりも狭い場合は、そこに住居などを建てることはできません。これは、緊急事態が起こったときに消防車や救急車といった緊急車両が入れないためです。また、幅の広い幹線道路に面している場合は、交通量が多いなど騒音の問題が出てくることもあります。
3.傾斜について
空き地を保有している人の中には、傾斜があることで活用方法を迷っている人もいるかもしれません。傾斜にある土地は利用方法が限られてきます。建物を建てるのはまず難しいと考えた方がいいでしょう。基礎工事をすれば建てることはできますが、初期投資がその分高くつきます。
4.最寄り駅までの距離について
駅が近いなど交通アクセスが良いと、通勤や通学に便利です。人通りも見込めるため、店舗経営など集客が必要なことに向いています。特に賃貸物件などに利用するなら、駅までの距離が近いかどうかは外すことができません。最寄り駅までの距離は、土地をどう活用するかで左右されます。
5.周辺エリアの相場について
相場とは、地価のことではありません。何かを始めるときの料金などのことです。例えば、賃貸物件を経営する場合なら、近隣で同じような規模の物件の賃料相場について調査しておきましょう。駐車場なら、月極にするか時間貸しにするかで変わってきます。トランクルームについても、他より料金が高いと安定的に収益を得ることが難しくなります。
6.周辺エリアのニーズについて
周辺エリアでニーズがあるかどうかはもっとも重要です。どのようなものが求められるかは地域性によって変わってきます。まず空き地活用の方法をいくつか候補として上げ、一つずつニーズがあるかどうかを調査してみましょう。すでに同じものが近隣にある場合は、新たに増えてもニーズがない場合もあります。その地域にどのような層が住んでいるのか考えてみることも、周辺エリアのニーズを探る一つの方法です。
一般的によく見られる代表的な土地活用10選
最後に、一般的に見られることが多い代表的な空き地活用の方法を10選紹介します。それぞれ、どのようなメリットとデメリットがあるのか見ていきましょう。
1.アパート経営
アパート経営は、安定的に家賃収益を得られるという点がメリットです。建物を建てることで節税対策にもなります。ただし、はじめに初期投資がかかるという点がデメリットになるでしょう。また、なかなか住人が決まらないときは思うように収益をえられない可能性もあります。アパート経営には、駅に近く買い物がしやすいなど、生活するうえで利便性の高い平地が向いているでしょう。
2.マンション経営
マンション経営も、アパート同様で建物がある分、空き地にしておくよりも節税できます。マンションの場合、住居として使う以外に事務所などの活用方法もあるため、アパートより借り手がつきやすいのがメリットです。ただし、なかなか入居者が決まらないと収益を得ることはできません。また、エレベーターなどの設備点検や修繕などが必要になり、管理費がかかりやすい点がデメリットです。マンション経営は、駅に近いなど利便性がよい平坦な土地が向いています。
3.戸建て賃貸経営
戸建ては、集合住宅を建てるほどの土地面積がないときでも空き地活用できるというメリットがあります。ただし、1棟しか建てられないと、借り手がつかないときは延々に収益が見込めないことがデメリットです。建物があるため節税対策にはなりますが、安定性の面で考えると難しいかもしれません。うまく入居者が見つからないときは、初期投資を回収するまで時間がかかるでしょう。戸建ては、生活に便利な環境にある平地が向いています。
4.商業施設経営
店舗やオフィスなどを建設して賃貸収入を得る場合、安定収入が見込めるのがメリットです。店舗や事務所は一旦入居すればそうそう移転することはありません。ただし、初期投資がかかりやすいうえに、立地によってはなかなか借り手がつかないこともあるでしょう。また、老朽化が進んでくるとメンテナンス費用もかかります。家賃収入があまり見込めないと、固定資産税が負担になるかもしれません。商業施設経営に向いているのは、人通りが多く交通アクセスの良い平地です。
5.老人ホーム経営
老人ホームは需要が高く収益が見込みやすいというメリットはあるものの、初期投資がかかる点がデメリットになります。法改正によって入居者数の制限がなくなったため、少人数を対象とした老人ホームも可能ですが、それでもマンションやアパートと同じように初期投資がかかります。郊外の土地でも問題はありませんが、傾斜地だと基礎工事に費用がかかることから、できるだけ平坦な土地がいいでしょう。
6.駐車場・駐輪場経営
駐車場や駐輪場は、同じ賃料で収益を得る仕事でも、マンションなどのように建物を建てない分、初期投資があまりかかりません。数台からでも可能で、広大な土地がなくても経営しやすい点もメリットです。月極にするかコインパーキングにするかで変わってきますが、月極なら一度契約すればそうそう解約することはないでしょう。会社など法人に貸し出すことができればさらに安定性が出ます。また、コインパーキングの場合は不特定多数の人に利用されるため、安定的に収益を得やすいことがメリットです。一方、デメリットといえば、建物がない分固定資産税がやや高めという点でしょう。駐車場や駐輪場は繁華街やオフィス街、駅の近くなどにある平坦な土地が適しています。
7.トランクルーム経営
トランクルームは無人での経営が可能なうえに、安定的な収益が見込みやすい点がメリットです。また、コンテナはこまめなメンテナンスを必要としないためコストが抑えられることもメリットといえます。同じ賃料を得る活用法でありながら、マンション経営やアパート経営などに比べると圧倒的に初期投資がかからないことも大きなメリットです。ただし、利用者が少ないと十分な収益が入らないというデメリットはあります。トランクルームは、比較的人口が多い平坦な土地に向いています。
8.コインランドリー経営
コインランドリーは個人経営もできますが、フランチャイジーとして経営を行うのが一般的です。フランチャイジーの場合、建物や機材などの準備はもちろん、トラブルがあったときの問い合わせなども本社が対応することが多く、初期投資を抑えやすいというメリットがあります。ただし、利用されなければ収益を得ることはできません。コインランドリー経営に向いているのは、近隣に住居が多く人口が密集した平坦な土地です。
9.太陽光発電地
太陽光発電地の寿命は25〜30年ほどといわれています。そのため、一度設置すればメンテナンス費用がかかりにくい点がメリットです。太陽光を遮断するような建物がなければ、場所を選びにくいのもメリットといえるでしょう。さらに、安定的に収益を得ることが可能ですし、節税対策も可能です。その反面、実は初期投資が大きいというデメリットがあります。また、天候に左右される点も大きなデメリットです。太陽光発電地には、斜面や平地、高台など周囲に遮るものがない土地ならどこでも向いています。
10.等価交換
等価交換は、正しくは「土地の等価交換方式」といいます。等価交換とは、土地の保有者と建設会社などが協力して空き地を活用する方法です。土地の保有者は土地を提供し、建設会社などがそこに建物を建設します。そして、提供した土地の価値と同等の建物の区分所有権が与えられます。区分所有権は自分で使ってもかまいませんし、賃貸などにして収益を得るのも自由です。等価交換は自分で建物を建てる必要がありません。そのため、初期投資がかからないことがメリットです。ただし、土地をそのまま保有したい人にとってはデメリットといえます。等価交換は土地の価値に相当する区分所有権しか得られないため、できるだけ広大な土地に向いています。
空き地活用の方法はポイントをしっかり押さえ、入念な調査をして決めましょう
空き地活用といっても、立地や広さ、周辺の環境など状況に応じてさまざまなものがあります。どのように活用するか決める前に、調査をしっかりしておくことがポイントです。もちろん、初期投資やメンテナンス費用をできるだけ抑えることも忘れてはいけません。重要視するポイントと土地のあるエリアの特徴をしっかり押さえ、さまざまな角度から見てもっともその土地に合った空き地活用を選択しましょう。
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加瀬グループは、1973年 株式会社加瀬運輸の設立からはじまり、50年以上にわたり地域に密着した事業を展開しています。
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