テナント仲介に強い不動産会社の特徴 | 選び方のコツや手数料の相場も紹介
テナント物件を貸し出す際は、居住用とは異なる専門的な知識や経験が必要です。物件選びや賃料設定、契約手続きなど的確なアドバイスを受けることで、取引をスムーズに進めることができます。
テナント仲介の基礎知識や依頼の流れ、信頼できる不動産会社の選び方を押さえ、リスクを避けて安心して運営できる体制を整えましょう。
目次
テナント仲介の基礎知識
最初に、テナント仲介の業務内容やテナント形態の種類、必要な費用について貸す側の目線で解説します。
テナント仲介とは
テナント仲介とは、オフィスや店舗などの事業用不動産を借りたい企業・個人と、物件を貸したいオーナーの間に入り、賃貸の契約が成立するまでサポートしてくれる不動産会社のサービスです。
オーナーが依頼すると、不動産会社は以下のような業務を行います。
- 入居テナントの募集
- 物件案内
- 条件調整・交渉
- 審査代行
- 契約手続き
入居テナントを募集する際は、物件の特性や立地などを踏まえ、適切なターゲット層を設定し、入居者を募集してくれます。入居を希望するテナントが見つかったら物件の内覧対応を行い、テナントからの賃料・条件交渉に対応するのも仲介会社の仕事です。
入居審査も代行し、テナントの経営状況・信用力などを審査後、オーナーに報告して物件を貸すかどうかの確認も行います。入居審査を通過後は契約手続きを進めるなど、テナント仲介は賃貸借契約書の締結をサポートし、スムーズな入居に導いてくれます。
テナント形態の種類
オーナーは物件の特性や立地に応じて、どのような業種・用途のテナントが適しているかを検討する必要があります。
主なテナント形態は以下のとおりです。
- オフィス
- 店舗(アパレルショップ・飲食店など)
- クリニック
- 美容院、ネイルサロン
- 教室(スクール・学習塾など)
- 倉庫、物流拠点
たとえば、クリニックや美容室などは設備や内装に専門的な設備が必要になる一方、倉庫や物流拠点は広さや天井高、搬出入のしやすさが重視されるでしょう。
テナントの形態によって求められる条件や内装が異なるため、立地やエリアごとの需要を事前に確認することが大切です。物件の特性に合った用途を選ぶことが安定した運用につながります。
テナント仲介で必要な費用
テナント仲介でオーナーが払うことになる主な費用をまとめた表はこちらです。
【テナント契約の初期費用相場】
費用名 | 金額の目安 |
仲介手数料 | 賃料の1カ月分+消費税が上限(契約内容によっては借主と折半となる場合がある) |
広告費(AD) | 賃料の0.5~2カ月分程度 |
内装工事費・リフォーム費 | 20~500万円 |
修繕・クリーニング費用 | 1~20万円 |
内装工事費は壁紙の張替えなど小規模な改装であれば費用を抑えられますが、全面改装やスケルトン工事の場合は数百万円になることがあります。契約する際は、詳細な見積もりを提示してもらい、丁寧に確認することが大切です。
テナント仲介を依頼するときの流れ
テナント仲介を依頼するときは以下の流れで行います。
- テナント仲介に強い不動産会社を探す
- 物件を査定してもらう
- 仲介会社と契約を結ぶ
- 賃料など募集条件を設定する
- 希望者の審査・契約をする
- テナントとして貸し出す
それぞれの流れについて詳しく解説します。
1.テナント仲介に強い不動産会社を探す
まずは、テナント仲介に強みを持つ不動産会社を探します。通常の居住用物件の仲介とは異なり、事業用物件のテナント仲介には専門的な知識と経験が求められます。
テナント仲介に強い不動産会社は専門知識とノウハウが豊富なので、特定のエリアや業種における賃料相場、空室率、需要トレンドなど、最新の市場情報を共有してくれるでしょう。不動産会社を選ぶときは、これまでの成約事例や特定のエリア・業種ごとの実績を確認します。
2.物件を査定してもらう
適正な賃料設定をするため、テナント仲介会社に賃料査定をしてもらいます。
オーナーが希望する賃料が市場の相場とかけ離れていると、テナントがなかなか決まらず、空室期間が長引いてしまうからです。一方、賃料が低すぎてもオーナーの収益が下がってしまいます。
テナント収入の相場を決める要因は以下のとおりです。
- 立地
- 用途
- 業種・業態
- 階数
テナント仲介会社はこれらの情報を元に、オーナーの物件が市場においてどのくらいの価値があるのかを数値化し、最適な賃料を提案してくれます。
3.仲介会社と契約を結ぶ
テナントを募集する際は、事業用物件の仲介を行う不動産会社に依頼するのが一般的です。不動産会社と媒介契約を結び、物件のテナント募集をして賃貸借契約が成立すると、成功報酬として仲介手数料の支払いが発生します。
仲介を行う不動産会社がオーナーのためにどのような業務を行うのか確認することが大切です。
媒介契約には、専属専任媒介契約、専任媒介契約、一般媒介契約の3種類があります。複数の不動産会社に同時に依頼したいなど、自分の希望や状況に合わせて契約方法を決めるようにしましょう。
4.賃料など募集条件を設定する
テナント仲介に特化した不動産会社と媒介契約を結んだ後は、賃料を含む募集条件に関する提案やアドバイスをもらいます。
不動産会社は周辺の賃料相場や類似物件の成約事例、競合物件の状況、物件の特性(立地、築年数、設備など)などを分析し、適切な内容をオーナーに提案してくれます。
オーナーは以下の契約条件を決めることになります。
- 賃料
- 敷金(保証金)
- 礼金
- フリーレント期間
- 契約期間
- 更新料
- 原状回復の範囲
- 受け入れる業種(テナントの業種制限)など
この他の募集条件についても市場の動向やエリアの特性を踏まえて、不動産会社に相談しながら決めていきましょう。
5.希望者の審査・契約をする
入居を希望しているテナントが見つかると、不動産会社はオーナーの代理として、入居審査や契約手続きをサポートしてくれます。
入居者の決定も最終的にはオーナーが行うため、テナントの会社概要や事業計画、事業の安定性、連帯保証人の情報など必要な情報を確認します。オーナーは客観的な情報に基づいて、そのテナントに物件を貸せて問題ないか判断しましょう。
6.テナントとして貸し出す
テナントと賃貸借契約を結んだら物件を引き渡します。引き渡すときは、通常オーナーまたは仲介会社の担当者と、テナントの代表者が現地で立ち会って行われます。
その際、契約時の内容と相違ないか、設備が正常に機能するかなどを確認してもらうことが重要です。物件の状態に問題がなければ、オーナーからテナントの鍵を渡します。
テナント仲介に強い不動産会社の特徴と選び方のコツ
テナント経営で不動産投資を行う場合は、専門性の高い会社を選ぶことが大切です。 テナント仲介に強い不動産会社の特徴と選ぶときのポイントについて解説します。
専門性の高いアドバイスをしてくれる
テナント仲介に強い不動産会社の特徴の一つとして、専門性の高いアドバイスをしてくれることが挙げられます。市場動向とテナント物件に関して知識が豊富で、テナントの業種や事業計画に合わせた最適な賃料や募集条件を提案してくれるかがポイントです。
事業用の賃貸借契約は居住用物件に比べて条項が多く、原状回復義務や保証金の返却、中途解約、転貸の可否など特有の複雑なルールがあります。そのため、専門性の高いアドバイスをしてくれる不動産会社が望ましいのです。
不動産会社のホームページなどで、市場分析や業界トレンドなど、専門的な知見に基づいた情報が発信されているかをチェックしましょう。
希望に合ったテナントを紹介してくれる
オーナーの希望に合ったテナントを紹介してくれることも見逃せない大切です。賃料を期日通りに支払ってくれるテナントは、長期的な安定収入につながるためキャッシュフローを良好な状態に保てます。
また、以前入居していた業種と同じテナントであれば、内装工事費を抑えることにつながります。
専門性の高い不動産会社は、オーナーが希望する賃料や入居してほしい業種、テナントの規模などを丁寧にヒアリングしてくれるので、希望に合ったところを紹介してくれるでしょう。
希望どおりのテナントを紹介してもらうためには、オーナー側も求めるテナント像を明確に伝えることが必要です。
テナントを成約した実績が豊富にある
テナントの成約実績が十分にあることも、最適な不動産会社かどうかを見極めるうえで重要なポイントです。単に事業用の賃貸物件を多く扱っているのでなく、賃貸借契約を成功させてきた実績があることを確認します。
その際、オフィスなど自分が募集したい業種の実績があるか、募集したいエリアで実績があるかを確認するとよいでしょう。成約実績は、その不動産会社が「テナントを決めてくる力」を持っているかを判断する重要な指標となります。
テナント仲介会社や不動産会社のホームページで、仲介の実績などを確認してから依頼しましょう。
テナント仲介は実績豊富な加瀬グループにご相談ください
テナント運用を成功させるには、オーナー自身が物件のあるエリアの需要やターゲット層を理解することが重要です。さらに、賃料や原状回復の条件などの設定を行うため、不動産投資の経験が少ない方にとっては不安を感じる場面が多いかもしれません。
加瀬グループでは、一人ひとりの希望や状況に合わせて、最適な運用プランをご提案します。テナント募集や事業用物件の活用でお困りの際は、ぜひ一度、加瀬グループにご相談ください。
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加瀬グループは、1973年 株式会社加瀬運輸の設立からはじまり、50年以上にわたり地域に密着した事業を展開しています。
当社の豊富な経験や実績をもとに、不動産活用でお悩みのオーナー様に便利でわかりやすい情報をお届けします。
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