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空き店舗を貸したい人へ|安心して貸すために注意・確認すること

空き店舗を貸したい

所有するテナントを借りる人がなく、空き店舗の状態が続いていると収入が減って、オーナーには大きなダメージとなります。また、収入だけでなく、店舗そのものの劣化にもつながるため、空き店舗の問題は深刻です。

しかし、焦りは禁物です。空き店舗を貸したいと思ったときに、オーナーが知っておきたい基礎知識、注意点などを解説します。

 

空き店舗は早く貸すことが大事

空き店舗の状態が長期化すると、オーナーに不利益をもたらすため、早めに貸し出す必要があります。空き店舗の状態が続くと、どのようなデメリットがあるのでしょうか。

使われないままだと劣化が進む

店舗が使われない状態が長く続くと、以下のような原因で劣化が進みやすくなります。

  • 換気不足と湿気
  • 清掃・点検の不足
  • 設備の老朽化

入居者がいれば人の出入りやエアコンなどによって建物内部で空気の循環があるものの、空き店舗の場合は換気がほとんど行われないため、湿気がこもりやすくなります。室温が一定に保たれないため、外気温との差によって結露も発生しやすくなるでしょう。
夏の高温や冬の低温に晒され続けることで、建材の伸縮が繰り返し起こり、ひび割れや歪みが発生しやすくなります。

また、人が使用しないと、日常的な清掃やメンテナンスが行き届かなくなり、ホコリやゴミがたまって害虫の発生源となる可能性もあります。水漏れや雨漏りなどが発生しても、すぐに発見できません。対応が遅れるため、建物の被害が拡大しやすくなります。

さらに、給排水管、電気配線、空調設備などは使用されなくても時間とともに劣化します。特に水回りの配管は使用しないとサビが発生しやすくなるため、定期的に水を流すなど、流水による洗浄が必要です。

賃料収入を得られないが固定費はかかる

店舗が空いている間は家賃収入がゼロのため、収益を得られません。オーナーにとって経済的損失となり、空室期間が長引くほど損失額は膨らみます。店舗が空いていても固定資産税や都市計画税などの税金、建物の火災保険料などは継続して発生します。

また、光熱費や清掃費用など最低限の維持管理費がかかる場合もあるため、賃料収入がない状態でこれらの費用を負担し続けるのは、大きな経済的圧迫となります。

不法侵入やいたずらのターゲットになりやすい

空き店舗は、不法侵入やゴミの不法投棄、落書き、放火など犯罪の温床となることがあります。ガラスが割られたり、シャッターが壊されたりするなど物理的な損傷を受けることもあるでしょう。

空き店舗があることにより周辺地域の治安が悪化するリスクがあるため、近隣住民とトラブルになるおそれもあります。

 

空き店舗を貸すときの注意点

空き店舗を貸すときの注意点

ここでは空き店舗を貸し出す際に、将来的なトラブルを避けるためにオーナーが心得ておきたい注意点を解説します。

定期建物賃貸借契約と普通建物賃貸借契約の違いを把握する

空き店舗だけに限りませんが、店舗用物件を貸し出す際は、定期建物賃貸借契約と普通建物賃貸借契約の違いを把握することが必要です。
それぞれの特徴は以下のとおりです。

【定期建物賃貸借契約と普通建物賃貸借契約の違い】

  定期建物賃貸借契約 普通建物賃貸借契約
契約期間  制限なし(1年未満の契約も有効)  1年未満の契約の場合は期間の定めのない賃貸借契約とみなす
契約更新  更新なし  更新あり
契約終了通知  契約期間が1年以上の場合、貸主は契約期間満了1年前〜6カ月前までに契約終了の旨を通知する必要がある  -
契約方法  書面による契約のみ有効  書面・口頭どちらでも有効
中途解約について  中途解約に関する特約がない場合、原則として貸主・借主の自己都合による解約は不可  期間の定めのない賃貸借の場合、借主からの解約はいつでも可能。貸主からの解約は正当事由がある場合のみ可能
賃料増減額請求権  増額・減額しない旨の特約がどちらも有効  増額しない旨の特約は有効だが、減額しない旨の特約は無効

 

定期建物賃貸借契約は普通借家契約とは異なり、契約期間が満了すれば確実に契約が終了するのが特徴です。

周辺環境に配慮した業態に限定する

地域社会と良好な関係を維持するためには、周辺環境に配慮した業態に限定することも重要です。

例えば、深夜営業の飲食店は、住宅街や静かな商業地域では近隣トラブルの原因になります。大量のゴミが出る業種や生ごみの管理が不十分な場合、悪臭や害虫の発生源となり、衛生面での問題を引き起こし、オーナーも近隣住民からクレームを受けるかもしれません。

したがって、どのような業種(飲食店、物販、事務所など)に貸すのかなど、使用用途の制限をしておくことは欠かせないポイントです。特に飲食店の場合は騒音や臭い、ゴミの排出、営業時間など、近隣に影響を与える営業について、あらかじめ制限やルールを設けておきましょう。

物件の状態と退去時における原状回復の範囲を定めておく

引き渡し時の状態と退去時における原状回復の範囲を具体的に定めておくことも必要です。

引き渡し時の状態は現状のまま貸し出すのか、内装や設備が何もないスケルトン状態で貸し出すのかを明確にします。設備の有無とメンテナンス責任についても明記しておきましょう。

退去時における原状回復の範囲も重要です。借主がどこまで原状に戻して退去するのかを具体的に定めます。

改装工事を借主が行う場合は、原状回復が可能な工事かどうか確認してから許可を出しましょう。借主が内装工事を行う際の事前承認の要否、工事範囲、原状回復義務なども具体的に決めておくとトラブルを防げます。

借主の故意・過失による損耗は借主の責任であることを記載しておくことも重要です。

 

空き店舗を貸すときに確認すること

空き店舗を貸すときに確認すること

ここでは、空き店舗を貸すときにオーナーが確認すべきことについて解説します。

契約内容を細かく決める

空き店舗を貸す際には、契約内容を細かく決めることが重要です。契約内容を曖昧なままにしておくとトラブルが発生し、オーナーの時間や費用、精神的な負担が増えることがあります。特に以下の内容は明確に定めておきましょう。

【確認しておきたい契約内容】

項目 内容
賃料・初期費用  ・賃料額、支払い期日、支払い方法
 ・保証金、敷金、礼金の金額など
契約期間と更新・解約  ・契約期間の始期と終期
 ・契約の種類(普通建物賃貸借契約か定期建物賃貸借契約か)など
使用用途と制限  ・使用目的・業種(物販店、事務所、飲食店など具体的に)
 ・営業時間に関する制限など
内装工事・設備の修繕・設備費用の負担  ・引き渡し時の物件の状態(スケルトン、居抜きなど)
 ・借主による内装工事の可否、事前承諾の要否、可能な工事範囲
禁止事項と損害賠償  ・転貸(又貸し)の禁止
 ・契約者の変更や名義貸しの禁止など

 

設備費用の負担など細かいことまで契約で決めて、トラブルを予防します。

退去時の取り決めは重要

退去時の取り決めも契約時に決める重要事項です。退去するときにはどのような状態にするのかを決める必要があります。退去時の取り決めで特に明確にすべき点はこちらです。

  • 原状回復義務の範囲
  • 退去時のハウスクリーニング費用の負担
  • 敷金・保証金の精算方法

飲食店などは居抜きで借りるケースが多いため、退去時は原状回復費用よりクリーニング費用が多いことがあります。他の業種はスケルトンで借りるケースが一般的なため、原状回復に時間がかかることも少なくありません。退去時の専門業者によるハウスクリーニング費用をどちらが負担するかも決めておくことが必要です。

敷金・保証金の精算方法も明確にしておきましょう。大抵の場合、返還される敷金・保証金の金額は預け入れた金額から、未払いの賃料や原状回復費用などを差し引いた残額となります。退去時には原状回復や敷金・保証金の精算方法でトラブルになるケースも多いため、特に注意しておきたいポイントです。

 

店舗が得意な事業者へ依頼する

空き店舗を貸し出す際は、店舗物件の扱いに強みがある事業者へ依頼することがポイントです。店舗の貸し出しは契約内容などの確認が重要なため、扱いに慣れた会社へ依頼すると安全に貸し出せます。

店舗物件に強い不動産会社は、業種ごとの法的規制(用途地域、消防法、食品衛生法など)や、設備(給排水、ガス容量、排気設備など)に関する専門知識が豊富なため、店舗特有の複雑な契約内容にも精通しています。

地域の店舗賃料相場や物件の立地、設備などを総合的に判断し、適正な賃料設定を提案してくれるため、テナントも見つかりやすいでしょう。

空き店舗の活用は加瀬グループへご相談を

店舗が空いたままだと多くのデメリットがあり、できるだけ早く解決することが求められます。しかし、景気の状況などに左右されることも多く、借主を見つけるのは簡単なことではありません。

空室が長引く店舗でお悩みの方は、まず加瀬グループへご相談ください。加瀬グループであれば、多くの相談事例から所有する店舗に適したプランを提案可能です。さまざまな活用方法を提案できますので、気軽に加瀬グループへご相談ください。

 

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加瀬グループ編集部
加瀬グループ編集部
加瀬グループは、1973年 株式会社加瀬運輸の設立からはじまり、50年以上にわたり地域に密着した事業を展開しています。
当社の豊富な経験や実績をもとに、不動産活用でお悩みのオーナー様に便利でわかりやすい情報をお届けします。

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