土地活用に貸し看板ってどう?メリット・デメリットと収益性を解説
いたるところで見かける、企業や店舗などの広告を掲載した看板は、土地活用のひとつとして行えるもののひとつです。この貸し看板はコストを抑えつつ、利益を得られるメリットがあります。
貸し看板をはじめるにあたって知っておきたい、基礎知識やメリット・デメリットなどを紹介します。
貸し看板とはどんな土地活用?
貸し看板とは、空き地や建物の壁面、駐車場などの土地に看板を設置して、企業に貸し出す土地活用のことです。狭いスペースでも活用できるため、土地活用方法のひとつとして利用されています。ここでは、貸し看板での土地活用について基本的な内容を解説します。
貸し看板とは
貸し看板とは、所有する建物の壁面や土地などの空きスペースに看板をかけて貸し出す不動産投資のことです。看板を設置して自社の宣伝や店舗への案内をしたい企業に貸し出します。
貸し看板の主な種類や設置場所、特徴は以下のとおりです。
【貸し看板の主な種類・設置場所・特徴】
貸し看板の種類 | 設置場所 | 特徴 |
屋上看板 | ビルなどの屋上 | 遠くから見えやすい |
壁つけ看板 | ビルなどの壁 | 注目されやすい |
野立て看板 | 道路沿い・線路沿いなどの路上 | 店舗への案内に適している |
活用したい不動産の種類や特徴に適している貸し看板を設置します。
どんな立地が貸し看板に向いている?
貸し看板が向いているのは、以下のような立地です。
- 人目につきやすい
- ロードサイドなどで見とおしがよい
看板として多くの人に見てもらう必要があるため、一定の人どおりがあり、人の目につきやすい土地やロードサイドなどで見とおしがよい土地が向いています。
看板そのものはスペースを取らないため、狭い空き地や変形地でも利用可能です。人の目に触れやすい場所にありながら、面積が狭くて利用しにくかった土地でも、貸し看板なら有効活用できる可能性があります。都市部にビルやマンションを所有する場合は、人どおりが多ければ小さな看板でも十分効果があるため、壁面に設置するのもよいでしょう。
貸し看板はどれくらい儲かる?
貸し看板で得られる収益の相場は、年間で1万~5万円程度です。収益は看板の大きさや設置する土地の立地条件で異なりますが、不動産投資のなかでは収益性が高くありません。設置費用や初期費用、固定資産税を支払ったら、ほとんど利益が残らないケースも見受けられます。貸し看板を設置する際は、固定資産税の税負担を軽減できる程度と考えたほうがよいでしょう。
ただし、都市部で大きめの看板を設置する場合は、高めの賃料を受け取れる可能性があります。
貸し看板で土地活用をするメリット
ここでは、貸し看板で土地活用をするメリットについて解説します。
初期費用がかからない
貸し看板はアパートやマンション経営のように、高額な初期費用をかけずにはじめられるのがメリットです。不動産投資で物件を購入する場合は数千万円もかかる場合があるため、資金調達が難しい面があります。失敗すると高額な経済的損失を受けるリスクを抱えています。
自分で看板を設置して広告主を探す場合は15万円ほどの設置費用が必要ですが、土地だけ貸して広告主が看板代を負担するのであれば費用がかかりません。
賃料は自分が看板を用意する場合より安くなりますが、維持費用もかからないため、投資初心者にはハードルが低い投資方法です。
狭い変形地でも利用できる
1坪未満の三角形の土地など、狭い変形地でも利用できるのもよい点です。通常では利用が難しい土地でも看板を設置するだけなので、いままで使い道がなかった土地でも有効活用できます。
ただし、看板は通行人などの目に留まらないと意味がないため、視認性のよい場所に立てることが大切です。
長期的に安定した収益を得られる
看板は一度設置すると継続契約することが多いため、長期的に安定した収入を得られるのがメリットです。固定資産税の納税資金の一部として充てられるでしょう。
アパート経営のような維持管理の手間がかからないため、副収入として気軽に行えます。毎年、広告主に契約更新の意思を確認し、看板設置料を請求するだけです。
管理に手間がかからない
貸し看板は設置してから定期的に点検やメンテナンスを行うだけで、日常的に管理を行う必要はありません。そのため、本業がある人でも時間や負担をかけずに土地活用できます。点検やメンテナンスは専門業者が行うため、オーナー自身が行うのは契約更新業務を年に一度行う程度です。
貸し看板で土地活用をするデメリット
次に、貸し看板で土地活用をするデメリットについて解説します。
収益性が低い
貸し看板は収益性が低いのがデメリットです。0.5m×2m程度の看板の場合、得られる収益は年間1万円から5万円程度が相場のため、固定資産税すらカバーできない可能性があります。初期費用がかからず参入しやすいのがメリットですが、収益が低いため、高収益を求める場合は向きません。
収益性を重視する場合は、アパート・マンション経営などが向いています。
法律に遵守しなければならない
看板を設置する場合は、自治体の法律を遵守しなければならず、さまざまな規制を確認することも必要です。具体的には、「景観法」「建築基準法」「屋外広告物法」「道路法」などの法律に沿って看板を立てることになります。
自治体によっては規制が異なるため、広告主の希望どおりの看板を設置できないケースもあります。たとえば、京都市の場合は屋外広告物の条例が細かく規定されており、街の景観を損ねる看板は設置できません。
設置する地域や看板の種類によって、設置できる広告の大きさ、形状が決まっています。規制どおりに設置しなければ、罰則が適用されることがあるので注意しましょう。
落下事故発生時には損害賠償責任を負う場合がある
落下事故による賠償リスクも考えられます。強風などで屋上やビルの壁面に設置した看板が落下して通行人にけがをさせた場合、損害賠償責任を負うケースがあります。
高い場所に設置されている場合、劣化に気がつかないこともあるため、定期的な点検が必要です。保険料はかかりますが、万が一の事故に備えて賠償保険に加入しておくと安心でしょう。
貸し看板をはじめるにはどうすればいい?
貸し看板ビジネスをはじめる際には、以下のような手順で進めます。通常、貸し看板を手がけている広告代理店に依頼するのが一般的です。
- 看板設置に適した土地か確認する
- 貸し看板を扱う広告代理店と契約
- 広告主を募集・契約
- 自治体などに看板設置の申請
- 看板の設置・運営
各手順について解説しましょう。
1.看板設置に適した土地か確認する
最初に、看板設置を検討している所有地が、広告看板に向いている立地であるかを専門家に確認しましょう。土地活用に関する専門企業はインターネットで調べればたくさん検索できます。立地によっては広告看板に向いていない場合もあるため、専門家の意見を聞いてからはじめることをおすすめします。
2.貸し看板を扱う広告代理店と契約
貸し看板に適している土地であれば、貸し看板を取り扱う広告会社と契約します。なお、自分で看板を設置した場合は、看板のスペースに「広告募集」という一文と連絡先を記載しておくと広告会社から連絡が入ることがあります。
3.広告主を募集・契約
広告会社と契約したあとは、設置した空白の看板に「広告主募集」などと記載して広告主を募集します。広告主募集の看板にかかる費用は、広告会社が負担する場合もあります。看板設置を初めて行う人は募集の要領がわかりにくいため、広告会社に依頼して広告主を探すほうが早期に見つかるでしょう。信頼できそうな広告主が見つかったら契約します。
4.自治体などに看板設置の申請
広告主が見つかったら、自治体などに看板設置の申請を行います。貸し看板は自治体で定めた屋外広告物条例、景観条例、建築基準法などに遵守して設置しなくてはなりません。設置が完了したら、完了検査の実施も必要です。
広告板等の許可期間は自治体によって異なりますが、原則として2年が一般的です。期限後も引き続き表示する場合は、継続申請を行います。
5.看板の設置・運営
自治体などに申請した看板設置の許可が下りたあとは看板を設置します。看板の作成は広告会社が行うのが基本です。運営がスタートしたら、看板の品質維持や草刈りなど定期的にメンテナンスを実施します。
土地活用のご相談は加瀬グループへ!
使い道のない土地が余っているのであれば、何らかの用途に活用することで、利益を得られるようになるかもしれません。貸し看板もそのひとつですが、もしかすると、もっと収益性の高い土地活用が見つかることもあります。
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