実家の土地を活用したい!活用方法4選と相続に関する注意点
実家を相続しても、実家に住まないケースなどでは、実家の土地を何かに活用できないかを検討することがあります。
建物が残っているのであれば、そのまま活用できる可能性もあります。しかし、築年数が経過している場合は、解体して更地の状態から活用方法を検討しなければなりません。
今回は、実家の土地を活用する方法をいくつか紹介します。さらに相続するときに注意すべきポイントも解説します。
目次
実家の土地は活用するべき?
実家を相続すると、住むのか活用するのか、売却するのか、その判断を悩むケースは多いです。相続は不測の事態により発生します。相続後は慌ただしく、なかなか具体的に考えられないことも珍しくありません。
土地を売却するとすぐに現金を手に入れられますが、土地という資産は残せません。将来的に得られる利益や節税、資産の所有という点で活用が勝るといえます。
まずは建物がそのまま活用できるか考える
実家の相続では、土地と建物の両方を相続するケースがあります。
自身が賃貸マンションなどで暮らしている場合、間取りや立地に問題がなければ、実家に引っ越して暮らすのもよいでしょう。
近年はテレワークの普及により、働く場所に対する制限が緩和される傾向にあります。そのため、実家が今の住まいと離れていても、問題にならないケースが増えています。
しかし、今まで住んでいなかった実家にわざわざ引っ越す人は多くはないでしょう。
住まなくても建物の損傷が少ないのであれば、賃貸として貸し出すのも選択肢のひとつです。築年数が経過しているなら入居者が見つからないリスクが高いため、建物の状態を見極めることが重要です。
土地活用するメリット
近年のトレンドになりつつあるのが、相続した実家について建物は取り壊しを行い、土地を活用するスタイルです。特に建物の築年数が経過している場合に有効な手段といえます。
ここでは、土地を活用するメリットを3つ紹介します。
節税効果
土地活用をすると、相続税などの税金を軽減する効果があります。
相続税の金額は、土地の相続税評価額により決まります。たとえば土地に建物を建てて貸し出すと、所有者の自由度が低い分、その相続税評価額を減らせます。
※今回実家を相続した際に発生する相続税に対しての効果ではなく、次に相続が発生した場合に相続人に対しての節税効果です。
収入源の確保
土地の活用を行うと、本業とは別に収入源を増やすことができます。
最近では新型コロナウイルス流行の影響で、本業の収入が不安定になる人もいます。さらに外出の自由度が下がり、テレワークが普及しました。
結果として、本業がある方が副業に費やす時間を確保しやすく、改めて副業が注目されています。
生活の基盤になるほどの収入とまではならずとも、生活を助けるのに十分な収入を得られるのが土地活用のメリットといえます。
世代を超えた土地の所有
土地を活用する一番のメリットといえるのが、その土地を所有し続けられる点です。
土地を所有していると、毎年固定資産税や都市計画税などの税金を納める義務があります。中には、マイナスにしかならないと手放してしまう方もいます。
しかしうまく活用すれば、得た収入を税金の支払いに充てて、子どもたちに土地を残すことが可能です。
実家を解体して活用するべき?
実家の建物が比較的新しいなら、そのまま賃貸として貸し出す方法もあります。
しかし相続で取得する場合、築年数が経過しており貸し出そうと思うと、リフォームの必要があるケースが大半です。大規模なリフォームが必要ならば取り壊して、新たに賃貸住宅を建てるほうが長期的には有効になることもあります。また、売却する場合でも解体するほうが売りやすくなります。
解体せずに放置するリスク
解体せずに建物を放置すると、固定資産税などの税金がかかるだけでなく、「特定空き家」に認定されるリスクがあります。認定されると、課税金額が数倍に増えるおそれがあります。
特定空き家として認定される要件はいくつかありますが、共通しているのは安全や景観上の管理ができていないことです。そのため空き家にする場合は、定期的に清掃や管理を行う必要があります。
また、空き家における最大のデメリットは、以下のようなトラブルの発生です。
- 不法投棄の多発
- 不審火による火災
- 害虫の大量発生
近隣に迷惑をかけるだけではなく、損害賠償を請求されるおそれがあります。
解体費用
解体費用は構造により異なり、それぞれ以下が目安です。
構造 | 坪単価(円) |
木造 | 2万~5万 |
鉄骨造(S造) | 3万~6万 |
鉄筋コンクリート(RC造) | 5万~8万 |
鉄骨鉄筋コンクリート(SRC造) | 5万~10万 |
この金額はあくまで構造別の目安です。建物の前にある道路幅や工法、必要となる警備を含めた人員数により金額は左右されます。
解体から活用までの手順
土地を活用する場合、解体と活用をセットにして依頼するほうが安くなるケースが多いです。そのため、土地活用を相談している不動産会社に依頼するのが一般的です。
活用に向けた手順は以下のとおりです。
- 土地の活用方法についての相談
- 解体費用の見積もり
- 工事依頼
- 引き渡し
活用方法にもよりますが、約6〜12カ月を目安にするとよいでしょう。
実家の土地活用4選
土地活用の種類はいくつもあり、リスクや利益がそれぞれ異なります。どの方法がよいかは、立地条件を中心に、需要と供給の状況から判断する必要があります。
ただし実家の土地が遠方にある場合は、管理のしやすさがポイントとなるでしょう。
トランクルーム経営
トランクルームを設置して、一時的な荷物の保管場所として貸し出す方法があります。
近年市場が拡大しており、注目されている土地活用のひとつです。新型コロナウイルス流行の影響で、在宅勤務をする人が増加するなどライフスタイルの変化があり、収納スペースの需要が高まっているからだと考えられます。
また、トランクルーム経営は、建物を建てずにトランクルームを設置するだけで始められます。さらにアパート経営などで必要な水道やガスを整備する費用もかからないことが多く、初期費用が安く管理の手間が比較的かからない土地活用の方法といえるでしょう。
さらに契約方法によっては、トランクルームの設置から運営まですべて専門の会社に任せられます。
駐車場経営
駐車場のスペースとして土地を活用する方法は、建物を建てる必要がありません。初期費用や管理の手間がほかの活用方法に比べてあまりかからないため、実家の土地が遠方にあっても気軽に運営できます。
なお、駐車場には、月極駐車場とコインパーキングの2種類あります。月極駐車場は集合住宅などがあるエリア、コインパーキングは商業施設が多いエリアが需要を見込める傾向にあります。
駐車場経営は、活用する土地をそのままの状態で利用できるため、廃業しやすいのが利点です。
太陽光発電による電力売却
太陽光発電システムを設置して電力を売却するのも、管理の手間などが比較的少ない活用方法です。
実家の土地に十分な広さがあり、周辺に太陽光を遮る高層物件の少ない田舎にある場合などは、まさにうってつけといえます。
ここ数年の電力会社の競争自由化により、単価に変動が生じているため今後の予測がしにくい点はありますが、需要が安定している傾向にあります。
コインランドリー
コインランドリーも維持費の少ない土地活用のひとつです。初期投資が必要ですが、そのあとに必要な経費が少なく、減価償却を考えると費用対効果は高くなります。
一時期は新型コロナウイルス流行の影響で需要が下火になりましたが、ドラム乾燥機の熱による殺菌効果が見直され、回復傾向にあります。
厚生労働省から正式に熱と新型コロナウイルスの関係性は発表されていませんが、少なくともほかのウイルスには効果大です。
また花粉の季節やPM2.5など飛来物が多くなると、回転率が高くなる傾向があります。
実家の土地を活用するときの注意点
実家を相続して活用する際は、税金を中心とした金銭面に注意する必要があります。
相続について
遺言書などで相続人を確定したあとは、相続するのか放棄するのか判断する必要があります。
また、相続税の支払いは、相続してから10カ月以内と決まっているので注意しましょう。
この期間に遅延した場合は各種特例による控除などを受けられず、10カ月と1日目から延滞料が追加されます。
この10カ月の間に必要な判断や手続きは多く、ほとんどの方が不慣れでしょう。早い段階で信頼できる専門家に相談することをおすすめします。
あわせて確認したい!2024年4月1日に施行された相続登記の義務化について(参考:リビンマッチ)
ローンと利回りについて
土地の活用を行う際は、以下の2点に注目しましょう。
- 借入金の支払い計画
- 土地活用による利回り
支払い計画は毎月の支出、利回りは収入による利益率を指します。
支出と収入が黒字になるのが理想ですが、少し長い目で見てトータル黒字となることが大切です。
加瀬グループにお任せください!
相続は検討するべきことや手続きが多いため、ひとりで行うのは負担が大きいです。そのため、土地活用にまでなかなか手が回らない方もいるでしょう。
相続した実家を放置している方もいるかもしれません。
より多くの利益を得るためには、早い段階から専門家に相談することをおすすめします。
加瀬グループは、お客様が安心して土地活用を行えるように、一人ひとりの状況に応じたアドバイスや手引きを行います。
土地活用の種類は本記事で紹介したものだけではありません。実家の土地により向いている土地活用が見つかる可能性があります。
まずはお気軽に加瀬グループまでご相談ください。
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