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空き部屋や空きビルの活用方法とは?ビジネスへの活用事例をご紹介

コロナ禍や増税などの影響から、ビルやマンションに空きが目立って困っているオーナー様は多いのではないでしょうか。

老朽化なども、入居者が決まりにくい原因の一つです。空いた状態が続くと収益も減少しますし、管理の手間がかかります。また、空室が多いと見た目の印象もあまり良いとはいえません。

そこで、この記事では空きビルやマンションなどの活用方法や注意点などについて紹介していきます

よくある空き部屋空きビルを持て余している状況

空き部屋

建物が使われずに長い間空いたままの状態になっていると、老朽化が早まる傾向にあります。そうなるとさらに借り手がつきにくくなり、悪循環です。だからといって、リフォームをすればすぐに入居者が決まるわけではありません。建物を維持するための費用や管理にかかる手間で、持て余してしまうことも考えられるでしょう。

ビルの老朽化は、外壁の落下などさまざまな危険が発生しやすくなります。万が一、落下物でケガ人が出れば大きな問題にも発展しかねません。さらに、駅に近いなど立地の良い場所に新しいビルが建てばおのずとそちらに人は流れますし、テナント誘致が難しいというオーナー様もいます。

ただし、解体するには費用がかかります。そのうえ更地にすれば固定資産税も上がりますから、決断できずにいるオーナー様は少なくないでしょう。老朽化以外には、物件の間取りが特殊で使い勝手が悪いということもあります。しかし、そのままにしておいても維持費がかかるだけです。リノベーションというアイデアは浮かんでも、実際にはどのようにしたらいいかわからない人は多いかもしれません。

また、どこまで空きビルや空き部屋を活かせるのか、コストを抑える方法やビルの特徴に合った活用方法がわからず、そのまま放置しているオーナー様もいるでしょう。

空き部屋空きビル定番の活用例とそれぞれのメリット・デメリット

空室活用メリットデメリット

空き部屋や空きビルはそのまま放置せず、できるだけ早い段階で何らかの対策を打つことが大切です。

ただし、時代のニーズに合った方法でなければなりません。ここでは、空き部屋や空きビルの活用方法として4つの定番事例をあげ、それぞれのメリットとデメリットについて紹介していきます。

1.トランクルームとして活用する

トランクルームには、屋外型と屋内型の2種類があります。屋外型はコンテナタイプの独立した個室を配置したもので、土地活用に向いています。一方、屋内型は建物の中をいくつかの部屋に区切ったタイプで、空調設備が整ったケースが多いのが特徴です。

屋内型には管理人が常駐しているタイプなども見られ、ニーズに合わせて多様化しています。屋内型のトランクルームなら、空きビルの空室活用に適しているでしょう。いずれのタイプも広さが異なる複数の部屋があり、狭いものは0.5畳、広いものでも8畳ほどが一般的です。

屋内型のトランクルームの場合、建物にあまり手を加えずに活用できる点がメリットにあげられます。既存の建物を活用できますし、壁やパーティションで区切るなど簡単な工事で済みます。

トランクルームは、引っ越し時の荷物の一時置きや衣替えのクローゼット代わりに使う人が多く、需要が増えている点もメリットです。その反面、立地によっては利用者が見込めないこともあり、この点がデメリットといえます。空きビルをトランクルームに活用するには、まず立地を考え、どれくらいのニーズがあるか分析してみましょう。

2.貸し会議室として活用する

オフィスのコンパクト化を図る企業が増えています。そこで需要が伸びているのが貸し会議室です。大手企業の中には使われていない会議室をレンタルする動きも見られ、時代に合った活用方法といえます。それを反映するように多様化しているのが、会議室予約システムです。人為的な予約では、どうしても時間のズレなど無駄が出やすくなります。ところが、会議室予約システムを利用すれば、予約から変更、料金の決済まですべて自動で管理することが可能です。

空きビルを貸し会議室にリノベーションすれば、レンタル料が得られるというメリットが生まれます。オフィス街の中にあるビルなら、大きな収益が見込めるでしょう。ただ、改装の他にテーブルや椅子、プロジェクターなどの備品を用意する必要性が出てきます。経費がかかるという点はデメリットになりますが、レンタル料に含めておけば採算をとることはできます。

3.レンタルオフィスやサテライトオフィスとして活用する

レンタルオフィスとは、フロアの中にいくつかの個室を作り、企業や個人に貸し出す小規模なオフィスのことです。個室は、デスクが1台か2台程度置ける広さで、Wi-Fiや電源が使えるようになっています。ミーティングルームや給湯室、来客時の応接スペースなどは共用になっているのが一般的です。

サテライトオフィスとは、1〜2人程度が勤務できる最低限の機能にとどめたオフィスのことをいいます。遠隔地での業務が必要なときなどに支社や支店の代わりに置く簡易的なオフィスで、レンタルオフィスやマンションの1室、または空き家などを借りる企業もあります。

レンタルオフィスのメリットは、空きビルを丸ごと1棟活用できるという点です。サテライトオフィスとして貸し出すならマンションの1室でも十分でしょう。

入居者がなく全フロアが空いたままになっているなら、リノベーションによって有効活用ができます。ただし、ビルが建っている環境によってはレンタルオフィスにしても利用者は少ないかもしれません。レンタルオフィスを利用することが多いのは、個人事業主や少人数のベンチャー企業などが主です。ニーズに合っていないと、レンタルオフィスにしてもデメリットになってしまいます。

4.シェアオフィスとして活用する

シェアオフィスとは空間全体を複数の人が共同で使用するオフィスのことです。レンタルオフィスと混同されやすいですが、大きな違いは「専用の個室が用意されていない」という点でしょう。

中には、パーテーションで間仕切りをするなど、個別のブースが利用できるシェアオフィスも見られます。しかし、通常は業務を行うテーブルや打ち合わせスペース、さらに受付などもシェアしているのが一般的です。

シェアオフィスのメリットは、空きビルを活用しやすいことにあります。1フロアだけ活用するか全館丸ごと使用するかは、ビルの規模次第です。シェアオフィスの特徴の一つは開放感ですから、もちろんリノベーションは必要になります。それでも、建物自体はそのまま活かすことができますし、コストを抑えたリノベーションが可能です。

シェアオフィスは利用料が手頃なため、ビジネスマンや個人事業主、フリーランスなどの顧客が見込みやすいのもメリットといえます。その反面、レンタルオフィスと同様でニーズが少ない立地では需要がなく、維持費だけがかかるかもしれません。

 

ユニークな空きビルの活用事例

ユニークなビル活用

国土交通省都市局が2012年に発表した「中心市街地の空きビル活用及びリニューアル事例調査」では、空きビルのユニークな活用事例がいくつか報告されています。この調査で取り上げられているのは、主に中心市街地の活性化につながった事例です。「中心市街地の空きビル活用及びリニューアル事例調査」で報告されている中から、大型商業施設を活用した2つの事例を見ていきましょう。

十字屋佐野店の事例

「十字屋佐野店」は地下1階地上5階のデパートでしたが、サービス対応型のマンションへとリノベーションしています。デパートから住居へリノベーションをするにあたっては、外壁を後退させ、さらに吹き抜けを作ることで広さと解放感を実現しました。リノベーション後は地下1階を駐車場に、1階は介護老人保健施設と事務所、2〜4階はサービス対応型マンション、そして5階部分は介護老人保健施設と会議室になっています。

大分サティの事例

「大分サティ」の事例では、リノベーション後も同じ商業施設で一見すると変化したという印象は受けません。ところが、もともとは地下1階地上8階だった建物を、地下1階地上2階と大幅に縮小しています。3階以上は解体し、地下1階は駐輪場に、1階部分は食品スーパー、2階部分には歯科医院に学習塾、さらに託児所などに変わりました。1階に食品スーパーを入れたことは、周辺住民の要望によるものです。大型ビルの場合、建物の全部をそのまま活かすのは難しいこともあります。しかし、全面解体となればコストも相当なものになり、所有者の負担は大きくなるでしょう。

そこで、必要な部分以外を解体してコストを大幅に削減し、低層の建物にすることで耐震性を高めることにも成功しています。空きビルをどう活用するか考えるには、そこで暮らす人々のニーズを考慮することも不可欠です。「大分サティ」の事例は、コストを抑えながら周辺住民に安心感と利便性を与えることに成功したお手本といえるでしょう。

空き部屋空きビル活用の注意点

ニーズを踏まえた空きビル活用

マンションの空き部屋が目立ったときやビルのテナント誘致に困ったときの解決策には、さまざまな選択肢があります。どのような対策を取るにしても、優先したいのは収益性を高めることです。築年数が古いビルやマンションだと、空き部屋ができる理由を老朽化に結びつけてしまうオーナー様は多いでしょう。

確かに、建物が古いことも入居者離れの理由の一つといえます。しかし、ただリフォームできれいにするだけでは正しい解決策とはいえません。

見た目は新しくなっても、依然として空き部屋が埋まらないこともあり得ることです。そうなれば、リフォーム費用を回収するのは難しいでしょう。

空きビル活用における最も重要な注意点

もっとも重視したいのは、時代のニーズを的確に判断することです。周囲の状況はどのように変化しているのか、今何が求められているのかを冷静に判断し、そのうえで慎重に検討するようにしましょう。事業を行う方法も従来とはスタイルが大きく変化しています。

例えば、サテライトオフィスやシェアオフィスのように、必要最低限のスペースでコストを抑え、ビジネスを行う企業や個人は増えているのです。現状の建物を活かし、転用性を考慮しながら確実に収益を上げる方向性を見出すようにしましょう。

ビル全体が空いた状態になっているなら、大胆なリノベーションをしても特に問題はありません。ただし、1フロアなど部分的にリノベーションをするなら注意が必要です。

活用方法によっては、他の入居者の事業に良くない影響を与える可能性も出てきます。

ビルにはどのような業種が入っているのか、新しい事業を始めることでどのような影響が考えられるのか慎重に判断しなければいけません。できれば、他の入居者も利用できるような方向で考えていくのが理想的です。

例えば、複数の企業が入居しているビルなら貸し会議室にするという方法もあります。マンションの場合も同様のことがいえます。空き部屋を活用することで、他の住人が暮らしにくい状況を作っては本末転倒です。住人も外部の人も利用できるような作りのトランクルームにするなど、利便性を高める活用方法はいろいろあります。

空き部屋や空きビルを適切に活用するにはプロへ相談を! 

空き部屋が増えると、どうやって埋めたらいいか悩むオーナー様は多いでしょう。さらに空きビルとなると、管理そのものが負担になります。

空いてしまったからといって需要がないというわけではありません。転用性を考えながら適切な活用方法を探っていけば、採算がとれるケースもあります。

大切な資産を適切に活用するには、悩むよりもプロに相談してみましょう。

投稿者

加瀬グループ編集部
加瀬グループ編集部
加瀬グループは、1973年 株式会社加瀬運輸の設立からはじまり、50年以上にわたり地域に密着した事業を展開しています。
当社の豊富な経験や実績をもとに、不動産活用でお悩みのオーナー様に便利でわかりやすい情報をお届けします。

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